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ユーザーの本音
加工会社との対話が必要
設計情報の流出リスクを心配する声も

「加工会社からフィードバックを得にくい」「セキュリティーがどこまで担保されているか分からない」─。受発注プラットフォームの利便性が高まる一方で、日経ものづくりが実施したアンケートの自由記述欄には、加工会社との対話が難しいといった意見や、図面情報の流出リスクについて心配する声も届いた。

台風で発注がキャンセル
代替品の手配に苦労

 もしものために、代替の材料や加工にはきちんと対応してほしい。以前、とあるサービスで滑り止めシート材料を試作で手配したところ、社内で高評価を得た。そこで本番の製品用として発注したところ、「台風の影響で関連する部材のめどが立たない」との連絡が入った。ところが、代替品を用意しようにも部材の詳細情報を教えてもらえず、仕方なくインターネット検索で別の購入先を探し出し、再度サンプルを購入。その後、本番の製品に適用したことがある。(設計、その他の製造業)

設計部門にとっては便利
調達部門は手間が増えることも

 設計部門から見ると、受発注プラットフォームはメリットが多い。将来を見据えると、新たな取引先を開拓できたり、開発のスピードアップやコストダウンを追求できたりする可能性がある。しかし、調達部門にとっては面倒だと感じることもあるようだ。なぜなら、これまで付き合いのある会社や、既存のシステムには無い手間が発生するからだ。調達部門が日々の業務に追われているような状況だと、受発注プラットフォームの利用開始への協力を簡単には得にくい。(設計、産業用機器メーカー)

OEM供給製品での利用は慎重に
情報漏洩のリスクも心配

 他社ブランドの製品を受託生産するに当たって、その部品を受発注プラットフォームで調達する場合は、特に注意が必要だ。例えば、セキュリティーがどこまで担保されているか分からない。現時点では、図面情報などの設計情報が第三者に流出するリスクを見積もりにくい。また、それぞれの業界には図面や仕様書に表れない経験の深さや常識がある。こうした意図をくみとれる特殊技能を持った企業とのマッチングが必要だろう。(品質保証・品質管理、自動車等輸送用機器メーカー)

試作で使うには便利
加工会社との意見交換不足が不安

 試作で使うと便利だが、量産まで考えるとデメリットもある。例えば、性能を維持したままコストを削減する方法について、加工会社からフィードバックを得にくい。試作ではコストよりも性能を重視して発注する場合もあるが、量産では加工会社からのコスト削減の提案が重要になる。しかし、ネットでの発注だとこうした相談がしにくい。納期短縮の検討も同じで、加工会社の業務が混み合っているかどうかや、材料の入手性についてよく確認しないまま発注することになる。若手設計者を育成する観点からも、加工会社との意見交換は欠かせない。(設計、その他の製造業)

もっと提案してほしい
妥協点を伝えにくい

 切削加工を依頼すると、図面にない形状が残ると言われることがある。これは使用工具の形状が残ることが理由だが、どうしたら当初希望した形状のまま製作できるのか、もしくは近い形状にできるかといった提案はサービス側から出てこないことが多い。こちらから聞かないと回答が来ないため、やり取りの時間が余計に感じる。妥協点の擦り合わせもやりにくい。また、3Dデータで発注する場合は2D図面とは異なり、局所的に公差を変える指定が難しいサービスもある。公差と見積額との関係も分かりづらい。(設計、機械部品・電子部品メーカー)