全2833文字
PR

 もう一方のSeries Xは、小型化とデザイン性を重視して設計されていた。例えばデザインでは、縦置きしたときの天面にある通気口は、斜めから見るとイメージカラーの緑色が穴から見える(図9)。わざわざ樹脂板を1枚追加してでも表現したかったのだと思われる。

図9 小型化に加えデザイン重視のXbox Series X
図9 小型化に加えデザイン重視のXbox Series X
Xbox Series Xを横置きした場合の外観。縦置きしたときに天面側となる大きな通気口は、見る角度によって穴の一部が緑色に見える。デザインを重視して、わざわざ外装の内側に緑色の樹脂板を差し込むことでイメージカラーを表現したとみられる。(写真:右下は加藤康、それ以外はスタジオキャスパー)
[画像のクリックで拡大表示]

 エアフローの重視もSeries Xの設計の特徴だ(図10)。縦置き時の本体底部から天面に向かって、吹き上げるような風の通り道を作っている。天面側に位置する、直径130mmで厚さ38mmの大きな冷却ファンは、米Aavid Thermalloy製である。

図10 吸気から排気へ一方通行のエアフローを実現
図10 吸気から排気へ一方通行のエアフローを実現
Xbox Series Xは、写真左側の面の通気口から吸気し、右側の冷却ファンから排気するエアフロー構造を持つ。縦置き時に天面となる大きな通気口側にある直径130mmの大型冷却ファンには、本などを置かれて通気口が塞がれたときのために、側面にも排気口を備える。(写真:加藤康)
[画像のクリックで拡大表示]

 羽根車の直径に対してモーター径が小さい。高回転には適さず、さらに羽根の取り付け角度が小さいので高風量にも向かない。代わりに、羽根を大きくして風量を稼ぎ、回転数を抑えることで静音化を狙ったとみられる。