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出所:国際廃炉研究開発機構・三菱重工業・英Veolia Nuclear Solutions
出所:国際廃炉研究開発機構・三菱重工業・英Veolia Nuclear Solutions
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 炉心溶融に至った1・2・3号機の廃炉にとって、大きな関所となるのが燃料デブリの取り出しである。燃料デブリとは、ウラン燃料そのものと、燃料を覆う金属の被覆管などが溶けた後に冷え、再び固まったもの。圧力容器の底部や格納容器の底部に溶け落ちているとされる。廃炉を実現するには、この燃料デブリを取り出して輸送容器に収容し、原子炉建屋の外に運び出さなくてはならない。

 その取り出し作業のカギとして開発が進むのが、格納容器の内部にある燃料デブリにアクセスするための全長約22m、質量約4.6tという巨大なロボットアームだ(図1)。自由度は18軸で、主な動力は電動モーター。三菱重工業と原子力関連企業の英Veolia Nuclear Solutions(VNS)が共同で開発した。

図1 ロボットアーム
図1 ロボットアーム
全長約22m、幅約25×縦約40cm、質量約4.6t、自由度18軸。2号機燃料デブリの試験的な取り出しに使う。(出所:国際廃炉研究開発機構・三菱重工業・英Veolia Nuclear Solutions)
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 2022年に、このロボットアームを使った試験的な取り出しが2号機で始まる*1。アームの先端に取り付けた回収装置で1gほどの燃料デブリを数回に渡って回収し、持ち帰るのが目標だ。現在、そのための動作試験が英国で続けられている。

*1 当初は2021年中に燃料デブリの取り出しを始める計画だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で、1年の後ろ倒しとなった。

 取り出した燃料デブリは、日本原子力研究開発機構の大熊分析・研究センター(福島県・大熊町)に持ち込んで分析する。将来の本格的な燃料デブリ取り出しに向けて、基礎となるデータを取得するのが狙いだ。