全3180文字
PR
出所:東京電力ホールディングス
出所:東京電力ホールディングス
[画像のクリックで拡大表示]

 天井にかまぼこのようなドーム屋根が乗っている福島第1原発3号機の原子炉建屋では、現在、使用済み燃料プール*1からの燃料集合体*2の取り出し作業が粛々と進められている。他の原子炉建屋にはない、ちょっと風変わりな外観のドーム屋根は、その作業のために建てられた(図1)。使用済み燃料プールで水に浸かっている燃料集合体を取り出し、敷地内の共用プールに移送するのである。

*1 使用済み燃料プール
燃料集合体を水中で一時的に保管・冷却する場所。原子炉建屋の上部に位置する。事故当時、3号機の同プールには使用済み燃料514体、新燃料52体があった。
*2 燃料集合体
原子炉に核燃料を出し入れする際に、取り扱いの最小単位となる製品。核燃料はペレットと呼ぶ直径10×高さ10mmの円筒形。複数個のペレットをジルコニウム合金製の被覆管に詰めて燃料棒とし、さらに複数本の燃料棒をまとめたのが燃料集合体。
図1 3号機原子炉建屋の上部
図1 3号機原子炉建屋の上部
他の原子炉建屋にはない「かまぼこ型」のドーム屋根が特徴だ。2018年2月、建設中の写真。(出所:東京電力ホールディングス)
[画像のクリックで拡大表示]

 そんな現場で活躍するのが、東芝エネルギーシステムズ(川崎市)が開発した燃料集合体取り出し用の「つかみ具」である(図2)。燃料集合体のハンドルをフック状の機構で引っ掛けて捉える治具だ。ドーム内部では他にも数多くの設備が活躍するが、つかみ具は燃料集合体とじかに接触するという意味で、重要な役割を果たしている。

図2 燃料集合体を取り出すためのつかみ具
図2 燃料集合体を取り出すためのつかみ具
つかみ具(a)と、燃料集合体の外形寸法(b)。使用済み燃料プール内につかみ具を降ろして燃料集合体のハンドルを捉え、上に引き抜く。燃料集合体は細長い直方体の形状で、大きさは縦14×横14cm、長さ4.5m、重さは約300kg。(写真a:東芝エネルギーシステムズ)
[画像のクリックで拡大表示]