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モジュラーデザイン

【もじゅらーでざいん】前もって互換性の高い部品を設計しておき、それらを組み合わせて新製品を設計すること。標準化を拡張した概念。

 おおざっぱに言うと設計標準化を大幅に拡張した概念と言える。「レゴブロック」のように既製部品をあらかじめ準備しておき、それらを組み合わせて様々な新製品を生み出す手法である(図1)。少ない共通部品で多くの新製品を短時間のうちに生み出せるため、納期短縮とコスト削減につながる。

図1 モジュラーデザインの考え方
図1 モジュラーデザインの考え方
従来の設計(a)とモジュラーデザイン(b)の比較。モジュラーデザインを導入すると、部品点数や製造設備を減らしつつ、より多くの新製品を生み出せる可能性がある。〔日野三十四著『実践 モジュラーデザイン』(日経BP)を基に筆者作成〕
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 「部品標準化」や「設計標準化」といった従来の概念と似ているものの、設計のみならずエンジニアリング・チェーン全体の見直しと、全社横断的な標準化の取り組みを目指す、より広い概念だ(図2)。

* エンジニアリング・チェーン
製造工程の前後に位置する一連の業務の流れを指す。具体的には、商品企画→基本設計→詳細設計→部品表作成→生産準備、といった流れだ。
図2 標準化との違い
図2 標準化との違い
モジュラーデザインが検討対象とする部品は設計標準化や部品標準化よりも広範囲に及ぶ。その分、納期短縮やコスト削減など、期待できる効果も大きいとされる。(出所:ECM/MD研究会)
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