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 「炭素の値付け」とも呼ばれるカーボンプライシングは、温暖化ガスである二酸化炭素(CO2)の排出にコスト負担を加える制度の総称だ。温暖化ガスの排出量などに応じたコストを付加し、企業などに気候変動対策を促す仕組みである。

 具体的な手法としては、炭素税や排出量取引、炭素国境調整措置などがある。炭素税は、温暖化ガスの排出量に応じた税率を設定して課税する制度。排出量取引は、温暖化ガスの排出枠(キャップ)を設定する制度で、排出枠の上限を超えた企業がその分を補うために枠を別途購入してコストを負担する。

 カーボンプライシングの各制度はそれぞれ効果や課題が異なる。例えば、炭素税は税収などが予測しやすく、税収を利用したカーボンニュートラルへの投資がしやすい一方で、温暖化ガスの削減量を見通しにくい。

米欧が導入に動く「炭素国境調整措置」

 さまざまなカーボンプライシング手法の導入が各国で検討されているが、今ホットなのは炭素国境調整措置を巡る動きである。温暖化ガスの削減が不十分な国・地域との輸出入に焦点を絞り、関税やインセンティブを設けるこの制度の強化を図る動きが米欧で出ているからだ。