記事中の各コメント(VOICE)は、今回実施したアンケート調査の回答者への追加取材で得られた情報を掲載している。
顧客からの要求品質が過剰だ─。日経ものづくりが2021年4~5月に実施したアンケート「日本製造業の『品質』に関する調査」では、過剰品質を感じている割合が8割弱に上っていた(図1)。
同アンケートの自由記述でも、「過剰な品質は、原価ばかりがかさみ、経営状況を圧迫する」(機械部品・電子部品メーカー、経営)、「日本企業が当たり前と考えている品質は、現代では過剰品質だ」(その他、教員)といった、悲鳴とも言える「過剰品質」の悪影響に対する指摘が何よりも目立った。
過剰品質は、品質とコストのアンバランスを招く大きな要因の1つだ。品質のレベルを決めるのは顧客である発注者側だが、アンケート結果からは受注者側がその品質レベルを「過剰」と感じていることを示している。つまり、一般消費者など最終的な製品の使用者が判断する付加価値につながらない品質を要求されていると感じているわけだ。