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企業名:アイシン
作品名:全集中!ワッシャー整列の呼吸
  • ワッシャーを振動で搬送
  • 振動で収納容器を回転

 アイシンの「全集中!ワッシャー整列の呼吸」は、無造作に投入されたワッシャーを1列に重ねて整列させるからくりである(図1*1。整列させたワッシャーはトランスミッション製品の生産ラインに供給する。「第25回からくり改善くふう展2020」で、「最優秀からくり改善賞」を受賞した作品だ。

図1 全集中!ワッシャー整列の呼吸
図1 全集中!ワッシャー整列の呼吸
写真はデモ機。振動する金属容器にワッシャーを入れると、アクリルパイプの中で重なりながら整列する。大きさはおよそ横60×縦10×高さ30cm。(出所:アイシン)
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*1 出展当時はアイシン・エィ・ダブリュ。同社は2021年4月、アイシン精機と経営統合してアイシンとなった。

 同社の工場では、トランスミッションに組み付ける鉄製のワッシャーを供給するのに、パーツフィーダー*2を用いている。このパーツフィーダーにワッシャーを補給するには、あらかじめ専用の金属製の補給棒に通して整列させておく必要がある(図2)。

*2 パーツフィーダー
部品の切り出し装置。部品を重なりなく連続的に取り出して供給する。
図2 手作業によるワッシャーの整列
図2 手作業によるワッシャーの整列
以前は手作業でワッシャーを補給棒に通していた。(出所:アイシン)
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 ワッシャーの外径はおよそ20mm、内径は13mm。これまで作業者は、無造作に置かれたワッシャーを数枚ずつ手に取り、長さ約300mmの補給棒に通して整える作業を繰り返していた。

 補給棒1本に入るワッシャーは約250枚で、その作業時間はおよそ5分。同作業の頻度は1日当たり12回で、合計1時間ほど費やしていた。「手による整列はやりにくく、ワッシャーを取り落とす恐れもある」(担当者)。同社がこのからくりを製作したのは、そうしたワッシャーの整列作業の手間を減らすためである。