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 CKDや栗田産業(静岡市)などの社員からなるワーキンググループ(WG)は金型の予知保全に取り組んだ。CKDが販売する医薬品用のブリスター包装機を保全の対象とした。多数の錠剤を並べて封入した大きなシートを金型で打ち抜き、患者が使う10錠単位などのパッケージにする機械だ(図1*1

図1 CKDが販売する医薬品包装機に組み込まれた、シートを打ち抜く装置
図1 CKDが販売する医薬品包装機に組み込まれた、シートを打ち抜く装置
(出所:IVI)
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*1 IVIでのWGの呼称は「6B01」。

 シートを打ち抜く金型が摩耗すると、パッケージのへりにバリが生じるため、包装機のユーザーは数カ月~数年に1回、金型を修繕している。ただ、金型の摩耗は見た目では分からず、打ち抜く素材によっても摩耗の度合いが変わるため、修繕すべき時期を正確に予測するのが難しい。ユーザーは、まだ摩耗の少ない金型を余裕を持って修理することが多く、結果として生産活動に無駄が生じていた。

 一方で、包装機の供給元であるCKDは、金型を修繕する技術者の確保に苦戦している。同社は顧客から修繕依頼を受けて金型を研磨し、組み付けていた。しかし、技術者の数が限られるため、修繕まで顧客を何週間も待たせる場合があった。サービス向上のために、より計画的に金型の修繕をする方法を模索していた。