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 機能性  東京都立大学ほか
蒸気で分子が変形、アクチュエーター応用に期待

 東京都立大学と北里研究所、横浜国立大学、名古屋市立大学は、特定の蒸気を感知して可逆的に変形・変色する繊維状物質を開発した。フェニル基を2個付加したチオフェン分子6個から成る環状分子。この環状分子を特定の条件下で積層するように超分子集合させた。長さが約1mmの同繊維状物質がアセトン蒸気の有無によって湾曲したとき、先端位置は約0.1mm上下する。電源不要のアクチュエーターとして期待される。

(出所:東京都立大学・北里研究所・横浜国立大学・名古屋市立大学)
(出所:東京都立大学・北里研究所・横浜国立大学・名古屋市立大学)
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 バイオマス  理化学研究所ほか
バイオマス由来のブタジエンゴムを高効率生成

 理化学研究所と横浜ゴム、日本ゼオンは、バイオマスから効率的にブタジエンを生成する技術を開発した。用いたのはいわゆる「発酵法」。大腸菌を菌体触媒に使い、グルコース培養液1Lの発酵槽で2.1gの1,3-ブタジエンを生産できた。微量だが化学合成なしの1工程でバイオ生産する事例は世界初。「徐々に生産効率を高め、最終的にはタイヤの原材料である合成ゴムの置き換えを目指す」(横浜ゴム)。

(出所:横浜ゴム)
(出所:横浜ゴム)
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