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 部材不足の影響は幅広い製品に広がっている。寒い冬には欠かせない給湯器もその1つだ(図1)。2021年秋ごろから一般消費者の間で品不足が話題となり、同年12月には政府が東京五輪・パラリンピックの選手村に設置されていた給湯器約1400台を貸し出す方針を発表する事態にまで発展した。給湯器大手のノーリツとリンナイは、さまざまな部材不足に見舞われ、納期が遅れている。製品としての出荷だけでなく、修理対応にも影響が出ている状況だ。

図1 ノーリツのガス給湯器
図1 ノーリツのガス給湯器
ベトナムのロックダウンなどの影響で納期遅れが生じている。写真はGT-C62シリーズ。(出所:ノーリツ)
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 ノーリツによると給湯器の製造が間に合わなくなった要因は複合的で、主に4つある(図2)。まずは21年の前半ごろから問題となった世界的な半導体不足。次に21年2月に北米を襲った寒波をきっかけに、ポリアミド(PA)をはじめとした樹脂も不足した

図2 給湯器の納期遅れの原因と対策
図2 給湯器の納期遅れの原因と対策
(出所:日経ものづくり)
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* 寒波によって、ポリアミドの原料を製造する米国の化学メーカーの操業が影響を受けたほか、港からの出荷も滞った。