近年、製品の小型化や高密度化が加速し、形状・寸法検査においてより精密な測定が求められている。要求される品質保証度の高まりにより、従来の抜き取り検査から全数検査に切り替える動きもみられる。そうした用途に対応し、さまざまな方式の測定器が進化している。
例えば、対象物表面に照射したレーザーの反射光をCMOSイメージセンサーなどで受光する、いわゆる三角測量方式のレーザー変位計だ。非接触かつ高精度に形状や位置を測定できるという特徴を強化しつつ、反射率に対する柔軟性や処理速度などを高めている*1。
以下では、キーエンスのレーザー変位計(プロファイル測定器)を例に、その進化を解説する。同社の最新機種である「LJ-X8000シリーズ」は、さまざまな材質のワークを、従来製品の4倍という精密さで高速に測定でき、インラインで全数検査できる対象を拡大した。
進化したポイントは大きく3つある。1つ目は測定が超高精細であること、2つ目が材質や表面状態を問わずに安定的に測定できる点、3つ目が3Dのインライン検査が可能な点だ。一言で表すと、対象物の「ありのままの形が測れる」(キーエンス精密測定事業部販売促進グループ尾藤賢志氏)ようになった(図1)。それぞれの特徴を詳しく見ていこう。