旧日本陸軍の「九五式一型練習機」を復刻製作する「『赤とんぼ』復元プロジェクト」が進んでいる。かつて同機を製造していた「立川飛行機」の後身に当たる立飛ホールディングス(東京都立川市)が、創業90年を機に2015年から記念事業として開始。3機を製作して飛行させる計画だ。もう存在しない実機の構造を徹底的に解明し、再現に最新技術を活用する一方、作業過程を通してかつての設計者の思考が明らかになってきた。

(写真:パブリックドメイン、Wikipediaから)
九五式一型練習機の復元プロジェクト
旧日本陸軍の「九五式一型練習機」を復刻製作する「『赤とんぼ』復元プロジェクト」が進んでいる。かつて同機を製造していた「立川飛行機」の後身に当たる立飛ホールディングス(東京都立川市)が、創業90年を機に2015年から記念事業として開始。3機を製作して飛行させる計画だ。もう存在しない実機の構造を徹底的に解明し、再現に最新技術を活用する一方、作業過程を通してかつての設計者の思考が明らかになってきた。
Part 1 復刻の技術を見る
九五式一型練習機(キ9)は1934年に初飛行して1935年に旧陸軍に制式採用され、初歩課程を終えた練習生が次に乗る中間練習機として、数多くの操縦員を育てた複葉機、。オレンジ色に塗られていたことから「赤とんぼ」と呼ばれた。
Part 2 実機設計者の思考をたどる
復刻機の設計製作を担当するオリンポスの四戸 哲氏は、赤とんぼ実機の設計について「技術者がわくわくしながら造ったのが手に取るように分かる」と話す。同氏はさまざまな飛行機の構造に通じており、アニメーション映画『風の谷のナウシカ』に登場する飛行具「メーヴェ」をコンセプトとして、小型ジェットエンジン搭載の…