この記事では、ネットワーク機器の例として、シスコシステムズのLANスイッチ「Catalyst 2960-8TC-L」を利用している。このLANスイッチが内蔵するOSが「Cisco IOS」だ▼。ここでは、IOSの基本的な使い方を紹介しよう。
IOSでコマンドの操作を行う際にまず意識する必要があるのが「モード」である(図A-1)。どのモードにいるかによって、参照や設定が可能な項目が異なるからだ。代表的なモードには「ユーザーEXECモード」「特権EXECモード」「グローバルコンフィギュレーションモード」「インターフェースコンフィギュレーションモード」の4つがある。コマンドによりこれらのモードを切り替える。どのモードにいるかはプロンプトの表示で分かる。
TelnetとIPアドレスを設定
IOSを搭載したLANスイッチを使い始めるときには初期設定が必要だ。その際には、コンソールポート経由でパソコンと接続して行うのが一般的。接続の際には、サードパーティーが提供しているUSB対応のコンソールケーブル▼が便利だ(図A-2)。ターミナルソフトの起動時にシリアルポート接続を選択すると、パソコンからコマンドを実行できるようになる。
初期設定では、各種のパスワードやLANスイッチに割り当てるIPアドレスなどを設定する(図A-3)。ここではグローバルコンフィギュレーションモードで特権EXECモードに移行するためのパスワードを設定。VTY▼ポート番号を指定したインターフェースコンフィギュレーションモードでTelnet、VLAN▼番号を指定したインターフェースコンフィギュレーションモードでIPアドレスをそれぞれ設定している。
TelnetとIPアドレスを設定すると、ネットワーク経由でリモート接続できるようになる。ターミナルソフトの起動時にホストとしてIPアドレス、サービスとしてTelnetを指定すればいい。