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 Part3では、光ファイバーにまつわるトラブルの原因、トラブルシューティングの方法などについて取り上げる。

原因の8割が端面の汚れ

 光ファイバーを使っていると、通信が遅くなったり通信できなくなったりする場合がある。測定機器メーカーのフルーク・ネットワークスによると、こういったトラブルの9割は光コネクターが原因だという。

 トラブル全体の8割はコネクター端面の汚れに起因し、残りの1割はコネクターの「半挿し」、つまりコネクターをしっかりと挿し込んでいない状態に原因がある。

 光ファイバーを極端に折り曲げたり、踏みつけたりするなど乱暴に取り扱うことによるトラブルは、意外にもそれほど多くないという。「光ファイバーを手荒く扱ってはいけないことはよく理解されているからだろう」とフルーク・ネットワークス シニア・セールス・エンジニアの高橋英治氏は分析する。

コネクターは使う前に必ず清掃

 光ファイバーは極めて細いため、コネクター端面が汚れているかどうかは肉眼では分からない。だが、顕微鏡を使って観察すると、様々な汚れが付着しているのが分かる(図3-1)。

図3-1●光ファイバーのコネクター端面の汚れの例
図3-1●光ファイバーのコネクター端面の汚れの例
光ファイバーの端面は様々な種類の汚れが付着する。こうした汚れは光信号を遮り、不具合の原因となる。(写真提供:NTTアドバンステクノロジ)
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 こうした汚れによるトラブルを避けるには、光ファイバーケーブルを接続する前に、機器のポートやコネクターを清掃することが重要になる。一般的には専用のクリーナーを使う(図3-2左)。清掃後は、きれいに汚れが落ちたかどうか端面検査機で確認するのが望ましい(同右)。

図3-2●光ファイバー用のクリーナーと端面検査機
図3-2●光ファイバー用のクリーナーと端面検査機
光ファイバーケーブルをネットワーク機器につなぐ際には、必ず機器側のポートと光ファイバーケーブルのコネクターを清掃する。清掃した後は、端面検査機で汚れが落ちたかどうかを確認するのが望ましい。
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