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 Wi-Fiとして一般に認知されている無線LANシステムの物理層とMAC層における通信機能や管理機能は、IEEE 802.11 WGが規定している。

 2022年1月現在、市中における最新の無線LAN製品の多くは、業界団体Wi-Fi Allianceが2019年9月に開始したWi-Fi 6認証を取得した機器である。

 Wi-Fi 6は、IEEE 802.11 WGで策定されたIEEE 802.11ax(以下、11ax)ドラフト版仕様を基に、Wi-Fi Allianceによる相互接続試験プランの認証をパスした機器を指す。この11ax規格はIEEE 802.11 WGにおいて、2021年5月に出版された。

 冒頭で書いたようにIEEE 802.11 WGでは、11axの次世代規格として、11beの規格化に向けた議論が進行中だ。11beではAR/VR/MRや8K以上の高精細ビデオ、クラウドコンピューティング・ゲーミング、リモートオフィスなどをユースケースとして、MAC SAPで30Gビット/秒以上のスループットを目指している。

 また11beでは、これまで無線LANで用いられてきた2.4GHz帯と5GHz帯に加えて、11axで利用可能になった6GHz帯の帯域も対象周波数とする。