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2つめの「べからず」は、組織内の誰かが余っていたケーブルを近くにあった機器につないだという事例だ。どこにもつながっていないケーブルのコネクターを見つけた人が、「偶然外れたのだろう」と考えて善意で機器につなぐ行為がトラブルに発展する。どうしてトラブルになるのかを解説しよう。
ルーター直結でもつながらない
IT系のコンサルティング事業を手掛けるある企業では、主に社外で活動する従業員のノートパソコンは無線LANでネットワークにつないでいた。一方、オフィスに常駐する従業員のパソコンや複合機、NAS▼などの接続には有線LANを使っていた。
ある日、社外から戻ったばかりの従業員が、システム管理者に「ネットワークにつながらない」と連絡してきた(図2-1)。従業員によれば、全く通信できないという。
管理者が自身のパソコンを再起動すると、従業員が訴える症状を確認できた(図2-2)。次に、サーバー室にあるルーターにパソコンを直接つないでみた。これでもネットワークにつながらなかった。