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 インターネットは世界中の多数のネットワークが相互につながって成り立つ巨大なネットワークである。これを実現するのがIPだ。IPが属するインターネット層とは、文字通りネットワークを相互につなぐための階層になる。

 IPはデータをIPパケットに入れてやりとりする。パケットは小包という意味で、IPパケットは宛先ラベルなどに相当する情報をデータに付与したものと考えるとよいだろう。上位層から受け取ったデータを適当な大きさに分割して、IPパケットに詰めてネットワークに送り出す(図2-1)。

図2-1●IPパケットはLANを越えてインターネットに送れる
図2-1●IPパケットはLANを越えてインターネットに送れる
IPヘッダー部には宛先のIPアドレスなどが格納されている。ルーターがIPヘッダーの情報を基に宛先のパソコンまでデータを届ける。
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 宛先がLAN内にあれば、そのまま届く。一方、LAN内になければ、ネットワークとネットワークをつなぐルーターにIPパケットが届く。ルーターはIPパケットを宛先に近いほうのネットワークに送る。宛先の機器が所属するLANに届くまで、ルーターがこうした中継を繰り返す。宛先の機器が所属するLANに到着したら、IPパケットは宛先の機器に直接転送される。こうしてインターネットを経由して、異なるネットワークに属する機器にデータを届けられる。

住所に相当するIPアドレス

 ここからはIPv4に基づいてIPを説明しよう。IPパケットには前述のように宛先ラベルに相当する部分と、データ本体がある。前者をIPヘッダー部、後者をデータ部と呼ぶ(図2-2)。IPヘッダー部にはIPパケットの宛先や送信元を示すIPアドレスが含まれている。誰かに郵便で小包を送るときに宛先の住所や自分の住所を記述するの同じだ。インターネットの住所に相当するのがIPアドレスである。

図2-2●IPパケットはIPヘッダー部とデータ部に分けられる
図2-2●IPパケットはIPヘッダー部とデータ部に分けられる
IPヘッダー部には宛先のIPアドレスなどが格納されている。データ部には上の層で組み立てたデータ(TCPセグメントなど)が入っている。
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 小包の送り状に配達日時や配達内容を記述するように、IPヘッダー部にもIPアドレス以外に指定する情報がある。例えばIPパケットの寿命を示すTTLなどだ。TTLはルーターがIPパケットを転送するたびに1ずつ減少する。ゼロになると、その時点でIPパケットは破棄される。これにより、宛先不明のIPパケットがIPネットワーク上で転送され続けるのを防ぐ。