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 リンク層の役割は実際の機器間でのデータのやりとりだ。一般的なネットワークではイーサネットを使った有線LANか無線LANを使う。ここで使われているプロトコルはリンク層に分類される。イーサネットを題材にリンク層の役割を見ていこう。

イーサネットフレームに載せる

 インターネットでデータをやりとりするには、アプリケーション層からインターネット層までのプロトコルが連携してIPパケットを作成する。そして最終的にリンク層のプロトコルを処理するソフトがIPパケットをイーサネットフレームに載せてLANに送り出す。送り出されたイーサネットフレームが宛先に届くと、受信側でイーサネットフレームからIPパケットを取り出して上位のレイヤーに処理を任せる。

 イーサネットフレームは「プリアンブル」「MACヘッダー」「データ」「FCS」の4個の要素から成る(図5-1。MACヘッダーをイーサネットヘッダーと呼ぶこともある。プリアンブルはフレームの始まりを示すデータである。

図5-1●LAN内での宛先をMACアドレスで指定する
図5-1●LAN内での宛先をMACアドレスで指定する
イーサネットフレームはMACヘッダーに含まれるMACアドレスの情報を基に宛先に届けられる。
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 MACヘッダーには送信元や宛先のMACアドレスが記されている。MACアドレスはLAN上で通信相手を識別するために利用する。48ビットで構成されており、同じMACアドレスを持つネットワーク機器が世界に存在しないようにネットワーク機器メーカーが1つひとつ割り当てる。つまり、パソコンやサーバーの物理NIC、ルーターやLANスイッチのインターフェースには出荷時点でMACアドレスが割り当てられている。

 データにはIPパケットがそのまま入る。最後のFCSはMACヘッダーやデータに誤りがないかを検出するために付与する。送信元がイーサネットフレームを作成する際に計算して値を追加する。受信側で同じ計算をして値が合わなければ誤りがあると判断してデータを破棄する。

 イーサネットフレームの長さはプリアンブルを除いて64~1518バイトと規格上決められている。ただし近年では通信効率を高めるため、最大で9000バイトのフレームを送受信するように拡張した製品もある。これらは「ジャンボフレーム」と呼ばれる。標準の規格ではないので、すべての機器が対応しているわけではない。

 イーサネットフレームを配送するLANスイッチは、接続されている機器のMACアドレスと収容ポートをMACテーブルに記録している。これを参照してイーサネットフレームの転送先を決める。該当するMACアドレスがテーブルにない場合、LANスイッチはイーサネットフレームを全ポートから送り出す。