IoT機器として趣味や業務などに広く使われているのが、小型のシングルボードコンピューター「Raspberry Pi(通称ラズパイ)」だ。その実力や応用を見ていこう。
ここでは、Raspberry Pi 3 Model B+(以下、ラズパイ3 B+)の大きな改良点であるギガビットイーサネットの実力を見ていこう。
実は、ラズパイ3 B+のギガビットイーサネットには、ギガビットの性能を発揮できない事情がある。内部のUSB 2.0接続がギガビットイーサネットのボトルネックになっているのだ。
ラズパイ3 B+やその前モデルであるラズパイ3 Bでは、USBハブ機能を内蔵したイーサネットコントローラーとCPUの間をUSB 2.0で接続している。USB 2.0の通信速度は理論値が480Mビット/秒で、実効値が300Mビット/秒程度だ。
ラズパイ3 Bではイーサネットの通信速度が最大100Mビット/秒なので、この点は問題にならなかった。ところがラズパイ3 B+では、この制限でギガビットイーサネットなのに300Mビット/秒程度が限界になっている。
これを、ラズパイ3 B+のイーサネットの通信速度を実際に計測して確かめてみることにした。内蔵する有線LANポートに加え、念のためUSB接続型のイーサネットアダプターを使った場合の通信速度も計測した。利用したのは、中国TP-Linkテクノロジーズのギガビット対応イーサネットアダプター「UE300」だ。
この製品は標準でLinuxに対応している。ラズパイのOSであるRaspbianもLinuxの一種だ。ラズパイのUSBポートに接続しただけで「eth1」として認識された。