
「TCP/IP」は、ネットワーク技術者が押さえておくべき基本的な技術の1つだ。どのようなアプリケーションを使うとしても、TCP/IPに関する知識は不可欠である。そこで素朴な疑問を題材に、Q&A形式でTCP/IPの基本を解説する。近年はIPv6が普及しつつあるので、IPv4だけでなくIPv6についても取り上げる。
素朴な疑問をすっきり解決
「TCP/IP」は、ネットワーク技術者が押さえておくべき基本的な技術の1つだ。どのようなアプリケーションを使うとしても、TCP/IPに関する知識は不可欠である。そこで素朴な疑問を題材に、Q&A形式でTCP/IPの基本を解説する。近年はIPv6が普及しつつあるので、IPv4だけでなくIPv6についても取り上げる。
アプリケーションの高度化やデータ通信量の増加に対応するため、TCP/IPの後継となる技術の検討も始まっている。その代表格が「QUIC」というプロトコルだ。TCPに取って代わる可能性があるとして注目されている。
データの再送は、データが受信側に届かなかったときに機能する仕組みだ。TCPでは、受信側が1個のTCPセグメントを受け取るたびに確認応答を返す。確認応答が一定時間内にないと、送信側はデータを送ることができなかったと判断してそのセグメントを再送する。
インターネットでは、ネットワーク同士がルーターによって網のようにつながっている。いくつものネットワークを越えて通信しようとした場合、最適な経路を選ぶ必要がある。IPパケットを適切な経路で送らないと、遠回りをして遅延が発生したり、途中で破棄されたりするからだ。
IPを使う一般的な通信では、IPパケットの送信側と受信側が1 対1で通信する。こうした通信方式を「ユニキャスト」と呼ぶ。Webアクセスやメールの送受信などの通信はユニキャストだ。
IPには、IPv4とIPv6の2種類がある。どちらのバージョンも、IPパケットは「IPヘッダー」と「データ部」という2つの部分で構成されている。IPヘッダーはIPパケットを目的の場所に届けるための宛先ラベルに相当する部分、データ部はアプリケーションのデータを含むTCPセグメントなどが格納される部分…
TCP/IPは、インターネットや企業ネットワークで、事実上の標準技術として広く利用されている通信プロトコル群だ。インターネット・プロトコル・スイートなどとも呼ばれる。インターネットの原型となった米国の実験ネットワーク「ARPANET」のプロジェクトで開発された。