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ネット君 最近は「IP電話」ってわざわざ言わなくなりましたね。単に「電話」って言ってますよね。

インター博士 そうだなぁ。かなり一般的になって市民権を得た感じだな。

ネット君 ネットワークスペシャリスト(ネスペ)試験でもIP電話に関する問題は出るんですか?

インター博士 もちろん。最近では仕組みそのものではなく、優先制御などと絡めて出題されることが多いかな。

ネット君 優先制御ですか……。

パケットに優先順位を付ける

 優先制御とは、パケットに優先順位(優先度)を付けて、その順番で送信する仕組みや技術。通常スイッチやルーターといったネットワーク機器は、受信した順にパケットを送信する。優先制御では、受信順ではなく優先度が高い順にパケットを送信する。いわゆるQoSの一種である。

 特にIP電話で使われる音声や動画のストリーミングのような、遅延の影響が大きいパケットを処理する場合に用いられる。優先制御は「分類とマーキング」「キューイング」「スケジューリング」で構成される(図1)。

図1●「分類とマーキング」「キューイング」「スケジューリング」で構成
図1●「分類とマーキング」「キューイング」「スケジューリング」で構成
優先制御は、パケットの種類を分類する「分類」、種類ごとに優先度を付ける「マーキング」、優先度を基にキューに格納する「キューイング」、どのキューにあるパケットから送信するかを決める「スケジューリング」で構成される。
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 分類とは、トラフィック(通信)の種類に従って、それぞれのパケットを特定のクラスに分類する処理のこと。そしてクラスごとに設定された優先度をパケットに書き込む(マークする)。つまり優先度を付ける。これがマーキングである。

 優先制御を実施する機器は、送信インターフェースのキューを複数に分けて、優先度ごとに異なるキューに格納する。この処理をキューイングと呼ぶ。キューとはパケットの格納場所のこと。

 そして複数あるキューのうち、どのキューにあるパケットから送信するかを決めるのがスケジューリングである。