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複数のアンテナを同時に使う

センパイ:無線LANを高速化する技術はまだまだあるよ。有名なのがMIMOだ。11n以降では、アクセスポイントと端末の間で複数のアンテナを利用し、複数の通信経路を同時に使えるようになった(図2)。この通信経路のことを空間ストリームと呼ぶ。例えば3本の送信アンテナで送信し、3本の受信アンテナで受信するときの通信経路は3空間ストリームだ。

図2●MIMOによる高速化
図2●MIMOによる高速化
MIMOは、複数のアンテナを使用して同時にデータを送り、無線通信を高速化する技術。送信側と受信側のアンテナが1つずつ(1×1)に比べて3つずつ(3×3)だと理論的な通信速度は3倍になる。
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ネコSE:1空間ストリームの3倍ですね。

センパイ:そうだよ。道路を走る車をイメージすると分かりやすいかもしれない(図3)。車線数を増やすことで同時により多くの車がスムーズに走れるようになるような感じだね。ちなみにMIMOの性能は「送信アンテナ数×受信アンテナ数:空間ストリーム数」と表現する。例えば「3×3:3」という表記は「送信アンテナが3本、受信アンテナが3本、3空間ストリームをサポートしている」という意味だ。

図3●空間ストリームを拡張する
図3●空間ストリームを拡張する
無線LANの電波を使って通信する経路を空間ストリームと呼ぶ。11nでは最大4空間ストリームだったが、11acや11axでは最大8空間ストリームに増えた。
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ネコSE:MIMOの性能がなるべく高いアクセスポイントを選べばいいってことですね。

センパイ:もちろんそうだけど、無線LANの端末側のサポートも考慮する必要がある。例えばアクセスポイント側の送信アンテナ数が3本、端末側の受信アンテナ数が1本だとすると、1空間ストリームになってしまう。空間ストリーム数はアンテナ数が少ないほうに合わせることになるから、必ずしもアクセスポイントがサポートしている空間ストリームがフルに使われるとは限らない。

ネコSE:性能が高いアクセスポイントを使っても、端末側が対応していないと宝の持ち腐れということですね。