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とある企業の情報システム部門。そこに入社3年目でいつも元気いっぱい、何にでも興味を持つ通称「ネコSE」がいる。

 そんなネコSEがある日、上司の土良部長に呼び出され、自社の無線LAN導入プロジェクトの主担当として指名された。無線LANを導入した経験のないネコSEに豊富な知識を持つ「センパイ」が今日も無線LANの基礎を懇切丁寧に解説する。

ネコSE:センパイ!センパイ!

センパイ:どうした猫瀬くん。

ネコSE:電波っていろんな用途に使われているんですね。

センパイ:どうしたんだい、いきなり。

ネコSE:無線LANは電波を使ってデータを伝送しますよね。携帯電話やテレビ放送、アマチュア無線とか、ほかにもいろいろなものが無線を使っています。どうして影響を及ぼし合わないのかと思って調べたら、周波数帯ごとに用途が決まっているんですね。

センパイ:日本では電波法に基づいて総務省が各周波数帯を管理しているんだ。無線LANで利用できる周波数帯は2.4GHz帯と5GHz帯だよ。

無線LANで使用する周波数帯

ネコSE:周波数帯によって電波に違いがあるんですか?

センパイ:そうだな。無線LANは電波という「波」に情報を乗せて運ぶ。1秒間に発生する波の数が周波数で、Hzという単位で呼ばれる。一般に電波は周波数が高いほど直進性が強くなり、遠くまで届きにくい。障害物があるとそこで反射してしまい、障害物の裏には回り込みにくくなるのさ。

ネコSE:じゃあ5GHz帯に比べて2.4GHz帯のほうが遠くまで電波が届くし、障害物があっても回り込みやすいってことですね。そっちのほうが便利じゃないですか。

センパイ:でも2.4GHz帯はとても混雑しているんだ。Bluetooth、電子レンジやコードレスフォンなど多くの用途に利用されているんだよ。最近じゃドローンの操縦にも使われてるね。

ネコSE:そんなにたくさんの用途で同じ周波数帯を利用していたら、無線LANに悪影響があるんじゃないですか。

センパイ:いいところに気がついたね。同じ周波数帯に多くの電波が入り交じった環境だと、電波同士がぶつかり合って互いに影響を与えてしまう。これを「干渉」といって、通信の遅延やフレームの破損の原因になることがある。

ネコSE:そういえば自宅の無線LAN、電子レンジを使っているとやけに遅くなるのはそういうことだったのか。

▼用途が決まっている
例えば中波帯はAMラジオやアマチュア無線に使われ、UHF帯はテレビ放送や携帯電話などに使われている。無線LANに使われる2.4GHz帯や5GHz帯は「アンライセンスバンド」と呼ばれ、免許を取得しなくても電波を利用できる。アンライセンスバンド以外の帯域を国内で使うには総務省の免許が必要になる。
▼多くの用途に利用されている
2.4GHz帯はISM(Industrial、Scientific、Medical)帯の1つで、通信以外の工業利用や学問研究、医療などの用途にも使われている。