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IEEE 802.11acの導入を検討

 それから数年たった2018年ごろ、岸本さんはアクセスポイントの更新を検討していた。

 研究所では、最大伝送速度が600Mビット/秒のIEEE 802.11n対応のアクセスポイントを使っている。教員などのユーザーから不満は出ていないが、既に主流になっている最大伝送速度6.9Gビット/秒のIEEE802.11ac対応製品に更新したほうがよいと考えていたのだ。

1000BASE-T対応のフロアスイッチを先行導入
1000BASE-T対応のフロアスイッチを先行導入
研究所ではアクセスポイントを最大伝送速度6.9Gビット/秒のIEEE 802.11ac対応製品に入れ替えることを検討していたが、最大伝送速度100Mビット/秒のフロアスイッチがボトルネックになる。そこで試しに、フロアスイッチを1台だけ1000BASE-T対応に変更した。事前のテストでは何の問題もなかった。
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 ただ、フロアスイッチが最大伝送速度100Mビット/秒の100BASE-TX対応だったため、アクセスポイントだけを交換するとボトルネックになる。そこでアクセスポイントの更新を見据えて、フロアスイッチを最大伝送速度1Gビット/秒の1000BASE-T対応製品に入れ替えることにした。

 研究所では年に1度、サーバーやネットワーク機器の定期メンテナンスを実施する。その日を間近に控えていたので、1階にあるフロアスイッチだけを先行して交換することに決めた。

 岸本さんはテスト環境を構築して、問題が発生しないかどうかを事前に確認することにした。テスト環境は、導入を検討しているスイッチおよび利用中のアクセスポイントと同じ製品を直接つないで構築した。

 アクセスポイントにはACアダプターを使って給電した。PoEインジェクターを使わなかったことについて岸本さんは、「電力を供給するだけの機器なので、大きな影響はないと考えました」と説明した。

 この環境でのテストは問題なく終了。定期メンテナンスの日に1階のフロアスイッチだけを新しいスイッチに交換することにした。

警告メールが次々に届く

 定期メンテナンスの当日、岸本さんは1階のフロアスイッチを新しいスイッチに交換した。古いスイッチを取り外し、新しいスイッチにケーブルをつなぎ直す簡単な作業だった。

 この日は、サーバーのメンテナンスも実施した。夕方までにすべての作業を終えて、各種サーバーの電源を入れたところ、岸本さんに複数のメールが届くようになった。

 研究所ではサーバーの1台を使ってアクセスポイントの死活監視を実施していた。サーバーから5分おきにpingコマンドを実行して、応答があれば正常を示す「アクセスポイントのホスト名#IPアドレス-ping-ok」という件名のメールが、応答がなければ「ホスト名#IPアドレス-ping-noanswer」という件名のメールが届くようにしていた。

サーバーを使ってアクセスポイントの死活を監視
サーバーを使ってアクセスポイントの死活を監視
同研究所ではサーバーの1台を使ってアクセスポイントの死活を監視していた。5分おきにpingコマンドを実行。応答がない場合に警告メールを送信するようにしていた。
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 岸本さんがメールを確認すると、応答がないことを示す「ホスト名#IPアドレス-ping-no-answer」という件名のメールが3通届いていることが分かった。

岸本さんに届いたアクセスポイントの警告メール
岸本さんに届いたアクセスポイントの警告メール
フロアスイッチの1台を1000BASE-T対応スイッチに交換した日の夕方、岸本さんのメールアドレスにはアクセスポイントの不調を伝える警告メールが複数届いた。
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