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交換作業にミスはなかった

 警告メールの件名からアクセスポイントのIPアドレスが分かったので、研究所内のネットワーク構成図と見比べて、不調なアクセスポイントの設置場所を調べた。すると、警告メールの対象になったアクセスポイントはすべて、1階のフロアスイッチの配下にある、PoE給電のアクセスポイントだと判明した。

新しいスイッチの配下にあるPoE給電のアクセスポイントだけが不調
新しいスイッチの配下にあるPoE給電のアクセスポイントだけが不調
警告メールのIPアドレスとネットワーク構成図から不調のアクセスポイントを特定。いずれも新しいフロアスイッチ配下のPoE給電のアクセスポイントだった。調査の結果、PoEインジェクターが1000BASE-Tに非対応だと分かった。
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 岸本さんは設置したばかりのスイッチの配線を確認した。しかし配線に間違いはなく、交換作業にミスはなかった。

 次に、該当するアクセスポイントを目視で確認した。どのアクセスポイントも問題なく起動していたが、ポートのランプは点灯していなかった。フロアスイッチとのリンクが確立していなかったのだ。

Webサイトでヒントを探す

 岸本さんはPoEインジェクターに原因があるのではないかと考えた。配線に間違いがなく、アクセスポイントが正常に起動していたからだ。

 PoEインジェクターのメーカーのWebサイトにアクセスし、製品情報のページを開いた。そこに、ヒントになるようなことが書いてあるかもしれないと思ったからだ。

 仕様を見ると、PoEインジェクターは100BASE-TXに対応していると書かれていたが、1000BASE-Tに関する記述はなかった。これにより、使用しているPoEインジェクターが1000BASE-Tに対応していないことがトラブルの原因ではないかと考えた。

 ではどうしてトラブルになったのか。岸本さんの推測はこうだ。

 アクセスポイントと新しいスイッチは両方とも1000BASE-Tに対応しているものの1000BASE-T非対応のPoEインジェクターが間にあったために、ネゴシエーションに必要な情報をやりとりできなかった。このため、ネゴシエーションに失敗してリンクを確立できなかった。