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ネットワークで発生するトラブルとしてまず思い浮かぶのは「ループ接続」だろう。ちょっとしたミスや勘違いでトラブルを起こしやすいうえ、影響はネットワーク全体に広がる。今回はこれまでの記事から、解決が難しかった3つの事例を厳選して紹介する。

 「トラブルからの脱出」では様々なネットワークトラブルの事例を紹介してきた。今回は過去に掲載した記事から、人為的な原因で起こりがちなトラブル、中でもループ接続を題材に、解決策への道程が一筋縄ではなかった事例を紹介する。

 本題に入る前にトラブルの主な原因を分析しておこう。過去5年間(2017年4月号~2022年3月号)に掲載したトラブルの原因を分析すると大きく5つに分けられる。

トラブルの主な原因
トラブルの主な原因
2017年4月号~2022年3月号に掲載したネットワークトラブルの主な原因を集計した。誤接続や設定・設置のミスという人為的な原因が多い。
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 複数の要因が合わさって発生するトラブルはあるものの、原因の中で最も多かったのは「誤接続や設定・設置のミス」である。例えば従業員が余っていたLANケーブルをスイッチに挿してループ接続を作ってしまった、他のDHCPサーバーが稼働しているのにDHCPサーバーの機能を有効にしてしまった、といった具合だ。また適切な場所にネットワーク機器を設置しなかったため熱暴走したという事例もあった。これらは人為的ミスと言い換えられる。

 続いて多かったのは、ネットワーク機器など「ハードウエアの故障・不具合」である。ルーターやスイッチの故障が主だった原因だ。

 原因の第3位は「インターネット回線やLANケーブルの不具合」だった。インターネット回線を契約するプロバイダー内でのトラブルや、LANケーブルが破損したといったトラブルだ。動物がケーブルをかじって破損させた事例もあった。