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ポート設定が不一致

 中野さんは「特に問題視したのがシーケンス外パケットが発生していたことです。ある程度のパケット再送は目をつぶるにしても、シーケンス外パケットの発生は許容できないと考えました」と語る。

 午後3時にその日の調査を終え、翌5日に一次回答として通信過程でシーケンス外パケットが発生していることなどを顧客に報告した。中野さんは、DC内のL3スイッチのポートでCRCエラーが発生していることから、対向のレンタルルーターとのネゴシエーションに問題があると考えた。L3スイッチのポートの設定は「100Mビット/秒の全二重」の固定だったので、「おそらくレンタルルーターのポートが半二重と認識されているのではないかと思いました。その結果、データが衝突したと勘違いしてジャム信号が送信され、CRCエラーのカウント値が加算されていると推察したのです」(中野さん)。

 レンタルルーターと同じメーカーの製品で検証したところ、全二重固定にしたポートとつないだ際のポート設定が「Auto(自動)」になっていると半二重と認識されることが分かった。このため、通信事業者にレンタルルーターのポート設定を確認してもらうことにした。

 同月6日、通信事業者の調べでレンタルルーターのポート設定がAutoになっていることが判明。同月12日には、オートネゴシエーションの結果、半二重になっていたことも分かった。

CRCエラーの原因はポート設定の不一致
CRCエラーの原因はポート設定の不一致
通信事業者のレンタルルーターのポート設定は「Auto(自動)」にしていた。正しく動作していれば問題はないが、L3スイッチと設定が一致してなかった。
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 そこで、通信事業者にレンタルルーターのポート設定を「100Mビット/秒の全二重」の固定に変更してもらった。これで、ルーターとL3スイッチ間のCRCエラーは発生しなくなった。

L3スイッチの通信ログの一部
L3スイッチの通信ログの一部
レンタルルーターのポート設定をオートネゴシエーションから「100Mビット/秒の全二重」の固定に変更すると、CRCエラーが起きなくなった。
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