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リモートからの調査を依頼

 本来ならこれらの駅に直接行って、アクセススイッチの誤接続を探せば問題は解決するはずだ。しかし、冬期閉鎖中にこれらの駅に行くのは容易ではない。冬期は富山市からこれらの駅に向かう道路が区間通行止めになり、長野県側からしか行けなくなるからだ。

冬期閉鎖中は長野県側からしか入れない
冬期閉鎖中は長野県側からしか入れない
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 実際に行くとすると、朝に富山市を出発して、長野県大町市に向かう。そこから午後に従業員用バスで黒部ダムに入る。黒部ダムから黒部湖駅までは徒歩圏内だ。あとは保守作業員にケーブルカーなどを動かしてもらって各駅に移動する。調査には時間がかかるので、大観峰駅にある宿泊施設に泊まる必要がある。「最低でも1泊はしないと見て回れません」(石倉さん)。

 そこで石倉さんは、このネットワークを構築したインテグレーターに、駅に行く日がないかどうかを問い合わせてみた。インテグレーターは、冬期でも駅で時々作業することがあるからだ。しかし、あいにくそうした予定はないという。

 問い合わせを受けた担当者は、代わりにリモートでの調査を提案してきた。立山駅から各駅のL2スイッチにリモートアクセスしてポートの状況を調べるのは可能だという。そこで石倉さんはこの調査を依頼した。

 数日後、担当者が立山駅に赴いて調査を実施した。各駅のL2スイッチのポートを順番にダウンさせ、通信状況が変わるかどうかをpingコマンドなどで確認する。その結果、黒部湖駅のL2スイッチの4番ポートと8番ポートをそれぞれダウンさせたときに、通信の状況が変わることが分かった。

 つまり、4番ポートに接続されたARINET用アクセススイッチと8番ポートに接続された業務1用アクセススイッチが誤接続されている可能性が高い。そこで、春に駅が再開するまでは、これら2つのポートを止めておくことにした。

誤接続があったのは黒部湖駅だった
誤接続があったのは黒部湖駅だった
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 石倉さんは、2019年4月10日ごろに黒部湖駅に行き、問題のLANケーブルが接続されているのを確認した。そこでこのケーブルを外し、止めていた2つのポートをアップした。

 誤接続の再発防止のため、アクセススイッチの空きポートはすべてキャップで塞いだ。