全3891文字
PR

スキャンだけができなかった理由

 石倉さんは、DHCPサーバーが誤ったIPアドレスを割り当てた経緯を次のように推測する。

DHCPが往復60kmかけてIPアドレスを割り当て
DHCPが往復60kmかけてIPアドレスを割り当て
[画像のクリックで拡大表示]

 業務1のIPアドレスは、立山駅に設置されている業務1用ルーターが内蔵するDHCPサーバー機能が割り当てている。つまり、室堂駅から黒部湖駅までの業務1のパソコンは、このDHCP通信によってIPアドレスを取得している。

 ところが、黒部湖駅で業務1のネットワークとARINETが誤接続されたため、このDHCP通信がARINETにも届くようになった。さらに立山駅ではARINETと業務2のネットワークが誤接続され、業務1のDHCP通信が業務2にまで達した。つまり、往復60kmをかけて業務2のパソコンに業務1のIPアドレスが割り当てられたのだ。

 実際には、業務2のネットワークに業務1用(VLAN2)と業務2用(VLAN3)の2種類のDHCPサーバーが存在したことになる。このため、たまたま業務1のIPアドレスが割り当てられたときだけスキャンデータが届かなくなっていた。

 なぜ、印刷は問題ないのにスキャンだけができなくなったのだろうか。

複合機で印刷は問題ないのにスキャンだけができなくなった理由
複合機で印刷は問題ないのにスキャンだけができなくなった理由
[画像のクリックで拡大表示]

 立山駅の複合機には、業務用2で使うことを想定して「172.26.x.x」の固定アドレスを割り当てている。印刷の際にはパソコンは複合機にIPアドレスでアクセスする。VLAN2とVLAN3は本社のルーターでルーティングしているため、業務1のIPアドレスからも問題なく通信できる。

 ところが、スキャンの際には複合機がパソコンのコンピューター名でアクセスする仕組みになっていた。VLAN3に通信先のコンピューター名が見つからなかったため、スキャンデータが送れなかったと考えられる。

トラブルを振り返って
今回のトラブルを振り返り、石倉さんは次のような感想を話してくれた。
◆LANケーブルの誤接続の影響が、往復60kmもの距離をかけて出たのには驚きました。冬の間は原因が存在する場所に行くのが困難だったので、トラブル解決に苦労しました。
◆異なる業務のアクセススイッチが同じ場所に置いてあるのは紛らわしいと感じました。ケーブルの色分けなど、何らかの対策を考えています。
黒部湖駅に置かれていたアクセススイッチ
黒部湖駅に置かれていたアクセススイッチ
1番上のスイッチと1番下のスイッチが誤ってLANケーブルで接続されていた。
[画像のクリックで拡大表示]
トラブルの発生から解決までの流れ
トラブルの発生から解決までの流れ
[画像のクリックで拡大表示]