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この連載は、報道目的の実験を行い、その結果を掲載するものです。内容には十分注意をしていますが、記事内容を試すことは自己責任で行ってください。

 ここは、ネットワーク関連企業「BPネットワークス」が誇る本社の超高層タワービル…の地下3階、機械室の隣にある第二R&Dセンターである。そこには、何やら頭を抱えながら資料を作っている神崎君が…。

神崎:もう時間がない。ネットの情報を適当に切り貼りして仕上げてしまおう。

 そこへ、いつものように吉田さんがやってきた。

吉田:はーい、みなさん。

片岡:そろそろ来ると思ったぜ。

吉田:あっ、片岡さん。例のレポートは完成した?

片岡:レポートの作成は勉強を兼ねて神崎に任せた。神崎、どうなった?

神崎:ハイ。で、できています。これです。

吉田:片岡さん、内容を確認しなくてもいいの?

片岡:神崎は優秀だから大丈夫!

吉田:じゃあ、センター長に渡しておくわ。

矢田:で、今回の依頼は?

吉田:IoTシステムの構築をしているN社からの依頼よ。N社では、MQTTでセンサーからデータを収集するシステムを開発中なの(図1)。それで、センサー1台のプロトタイプを作ったらうまく動作したのに、センサーを10台に増やしたら、1台分のデータしか読み出せなかったというの。

図1●N社で発生しているトラブル
図1●N社で発生しているトラブル
MQTTを使って10台のセンサーからデータを収集しようとしたが、1台分のデータしか取り出せなかった。
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片岡:ハードウエアやプログラムの問題じゃないか?

吉田:ハードウエアは、すべてのセンサーが仕様通りに動いているらしいの。プログラムはN社が開発を委託している会社が、「テストでは仕様通りに動作していた」と主張していて問題はないみたい。でも、現場で動かすと不具合が発生するらしいわ。納期が近づいていてN社は困っているそうよ。

神崎:IPアドレスの重複では?

片岡:それは、よくある話だな。

吉田:各センサーに別々のIPアドレスを割り当てていてpingを送ると正しく応答しているの。

矢田:となると、MQTTのプロトコルレベルで問題が起こっているのでは?

吉田:そう。だからうちに「原因を調べてほしい」と相談が来たわけ。今回のセンター長からの依頼は「複数のIoT端末から情報収集できない理由を調査せよ!」よ。

片岡:状況はだいたいわかったが、まだ情報が不足しているな。

吉田:ええ、だから今から私がN社へ行って話を聞いてくるわ。プロトコルレベルの問題なら、MQTTの検証をする必要もあるから実験環境を準備しておいて。何かわかったら連絡するからね。じゃ。

 言い残して、吉田さんはダッシュでN社へと向かった。

矢田:行っちゃいました。さて、どうしましょうか?

片岡:まずはおさらいを兼ねて、MQTTの動作環境を用意して実験ができるようにしておこう。

▼IoT
Internet of Thingsの略。
▼MQTT
Message Queueing Telemetry Transportの略。