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インター博士 ネット君、今日提出のリポートは完成したか。

ネット君 (やばっ、全然やっていない)ええ、あとは最新のデータを反映させるだけです。

インター博士 そのデータならいつもの共有フォルダーにあるぞ。

ネット君 はー、はい。コピーしました。んー、これってクラウドストレージとは違う仕組みなんですよね?

インター博士 そうだな。

ネット君 感覚的には変わらない感じですけど。

 ネットワークを利用すれば、遠隔地にあるコンピューター同士がデータ(ファイル)を共有できる。このファイル共有の方法には大きく2種類ある。1つは専用のアプリケーションを使う方法だ(図1(1))。ファイルをやりとりする一方がクライアントになり、もう一方がサーバーになる。古くはFTP、最近ではクラウドストレージが代表的である。

図1●ファイルの共有方法は大きく2種類
図1●ファイルの共有方法は大きく2種類
ネットワーク経由でファイルを共有する方法は大きく2種類ある。1つは専用のアプリケーションを使う方法、もう1つはOSの機能を使う方法である。後者の場合、手元のコンピューター(ローカル)にあるファイルを操作する感覚で、遠隔地のコンピューター(リモート)にあるファイルを操作できる。
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 前者の場合、FTPに対応したクライアントソフトでFTPサーバーにアクセスしてファイルを送受信する。後者の場合にはプロトコルにHTTPSを使うのが一般的だ。Webブラウザーでクラウドストレージのサーバーにアクセスしてファイルをアップロードあるいはダウンロードするケースが多い。

ローカルにある感覚で操作可能

 もう1つが、OSに組み込まれている機能(サービス)を使う方法である(同(2))。Windowsのファイル共有(Windowsファイル共有)や、LinuxのNFSなどが該当する。

 OSの一機能なので、手元のコンピューター(ローカル)にあるファイルを操作する感覚で、遠隔地のコンピューター(リモート)にあるファイルを操作できる。つまりこのタイプのファイル共有では、ローカルにあるファイルとリモートにあるファイルを区別しない。ユーザーだけではなく、ローカルで動作するプログラムもリモートのファイルを利用できる。

 OS固有の機能なので、この方法で異なるOSとファイルを共有するには専用のソフトウエアが必要となる。その一例がLinuxで動作するSambaである。LinuxにSambaをインストールすれば、Windowsとのファイル共有が可能になる。