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ネットワークのビット数を末尾に

 クラスで分類されていたIPアドレスだが、あまりにも大ざっぱなため無駄が生じるようになった。前述のように、クラスAやクラスBを取得した組織はサブネットに分割して利用するが、それでも大部分のIPアドレスが使われずに死蔵されることになった。

 そこでクラスを使わない「クラスレス」のアドレスが使われるようになった。具体的には、ネットワーク番号のビット数をIPアドレスの後ろに明記する。このビット数はプレフィックス長、この書き方はCIDR表記とも呼ぶ(図3)。

図3●クラスを使わないIPアドレスの表記方法
図3●クラスを使わないIPアドレスの表記方法
クラスを使わないIPアドレスではネットワーク番号のビット数を末尾に記載する。このビット数はプレフィックス長、この書き方はCIDR表記とも呼ぶ。
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ネット君 なるほど。CIDRはClassless Inter-Domain Routingの略ですものね。CのClasslessは「クラスを使わない」ということだったんですね。

インター博士 そういうことだ。

ネット君 じゃあ、その後ろの「Inter-Domain Routing」はどういう意味なんですか?

 そもそもCIDRはクラスを使わないIPアドレスの割り当てや、ネットワークおよび経路情報の集約の仕組みを指す。クラスを使わない「ドメイン間のルーティング」なので、Classless Inter-Domain Routingと呼ぶ。

ネットワークを分割および集約

 CIDRを使うことで、ネットワークの分割や集約が可能になる。

 前述のようにサブネットマスクを使ってもネットワークを分割できる。だがこれは、IPアドレスを割り当てられた組織が内部で実施するものだ。CIDRでは、IPアドレスを管理するインターネットレジストリが特定の範囲のIPアドレスを割り当てる。クラスのような一塊のネットワークではなく、分割済みのサブネットを割り当てるイメージだ。組織ごとに必要最小限のIPアドレスを割り当てられるので無駄が少ない。

 集約は分割の逆で、複数のネットワークをまとめて1つのネットワークにすることだ。IPアドレスが連続している複数のネットワークを、そのすべてが内包されるようにプレフィックス長を設定する。

 具体的には、それぞれのネットワークのIPアドレスを2進数にして先頭から見ていき、共通部分の最大長がプレフィックス長になる(図4)。そして、共通部分のビットはそのままにして、残りのビットを0にしたIPアドレスが、集約したネットワークのIPアドレスになる。

図4●複数のネットワークを集約して1つのネットワークにする
図4●複数のネットワークを集約して1つのネットワークにする
集約する場合、IPアドレスが連続している複数のネットワークを、そのすべてが内包されるようにプレフィックス長を設定する。まとめられたネットワークはスーパーネットとも呼ばれる。
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 複数のネットワークを1つのネットワークとして運用できるので、管理者の負荷を軽減できる。また、集約前のネットワークアドレスやブロードキャストアドレスの一部も通常のIPアドレスとして使用できる。