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ルーティングループに注意

 デフォルトルートはルーティングに必須だが、経路集約と組み合わせた場合にルーティングループが発生することがある(図7)。ルーティングループとは、TTLが0になるまでパケットが同じ経路を何度も通過してしまう現象のこと。TTLが0になるとパケットは廃棄されて、宛先には届かない。

図7●経路設定のミスで発生するルーティングループ
図7●経路設定のミスで発生するルーティングループ
ルーティングループとは、TTLが0になるまでパケットが同じ経路を何度も通過してしまう現象。下図では例えば192.168.43.0/24宛てのパケットはルーターXとルーターYの間を何度も往復することになる。
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 例えば図7において、ルーターYに(実際には存在しない)ネットワーク192.168.43.0/24に含まれる192.168.43.1宛てのパケットが届いたとする。このネットワークはルーターYのルーティングテーブルに記載されていないので、デフォルトルートのルーターXに送られる。

 一方ルーターXのルーティングテーブルにおいては、集約した経路である192.168.40.0/22に192.168.43.0/24が含まれるためルーターYにパケットを送る。

 このため192.168.43.0/24宛てのパケットは、TTLが0になるまでルーターXとルーターYを往復し続けることになる。

 以上のようなルーティングループを防ぐにはヌルインターフェースを使う(図8)。

図8●ヌルインターフェースを設定してループしそうなパケットを廃棄
図8●ヌルインターフェースを設定してループしそうなパケットを廃棄
経路集約などによるルーティングループの防止にはヌルインターフェースを使用する。次のルーターがヌルインターフェースに該当するネットワーク宛てのパケットは廃棄される。
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 ヌルインターフェースは仮想的なインターフェースである。ヌルインターフェースが設定されたネットワーク宛てのパケットを受信すると、ルーターはそのパケットを他のルーターに転送せずに廃棄する。これにより、集約された経路宛てのパケットを意図せず転送し続けることなどを防止する。

 例えば図7でルーターXに設定された経路192.168.40.0/22をルーターYのヌルインターフェースに設定しておけば、192.168.40.0/24~192.168.42.0/24以外の192.168.40.0/22宛てのパケット(例えば192.168.43.0/24宛てのパケット)をルーターXに転送することはなくなる。つまり、ルーターXとルーターY間のルーティングループを防げる。