ネット君 メールはオワコン▼なんて言う人もいますが、まだまだ使われていますよね。
インター博士 ビジネス用途では特にな。
ネット君 メールで迷惑なのが、文字通り迷惑メール。迷惑メールって、なくならないですねぇ。
インター博士 日本データ通信協会▼の調べによると、2020年中にやりとりされた全メールの5割が迷惑メール▼だそうだ。
ネット君 半分ですか…。
インター博士 10年くらい前は7割が迷惑メールといわれていたから、それに比べれば減っているがな。
迷惑メールとは、受信者の意図にかかわらず勝手に送られてくるメールの総称である。
迷惑メールが後を絶たない理由の1つは、メールの送信に利用するプロトコルであるSMTP▼に認証機能がないことだ。SMTPを実装するメールサーバーは、誰から送られてきたメールであっても宛先のメールサーバーにメールを送信する(図1)。つまり正規ユーザーになりすまして、迷惑メールを送れてしまう。
ネット君 どうやって迷惑メールを防ぐんですか?
インター博士 メールの歴史は迷惑メールの歴史と言っても過言ではない。そのため様々な対策が考え出され利用されている。
迷惑メール対策には、ユーザーのメールクライアント側で実施する対策と、組織やインターネット接続事業者(ISP▼)が運用するメールサーバー側で実施する対策がある。
前者の一例がメールクライアントでのフィルタリングだ。受信したメールの送信元アドレスや件名、本文に含まれている単語などをチェックして、迷惑メールと判定した場合には特定のフォルダーに振り分ける。
今回取り上げるのは後者のメールサーバー側で実施する対策である。組織やISPなどが実施している代表的な対策をいくつか紹介しよう。