PR

監視対象の管理情報を取得

 SNMPはSimple Network Mangement Protocolの略。日本語では、簡易ネットワーク管理プロトコルと呼ばれることもある。文字通り、ネットワーク管理のためのプロトコルである。SNMPを使えば、障害監視だけではなく、機器の状態を詳しく調べられる。

 SNMPにはバージョン1、2c、3がある。それぞれSNMPv1、SNMPv2c、SNMPv3と表記する。SNMPv1、SNMPv2cは機能がほぼ同じであり、互換性がある。SNMPv3はSNMPv1とSNMPv2cとは互換性がない。SNMPv3はセキュリティが強化されていて利用が推奨されているが、現状ではSNMPv1やSNMPv2cのほうが広く使われている。

 SNMPv1とSNMPv2cでは、監視する側の機器をSNMPマネジャー、監視対象の機器をSNMPエージェントと呼ぶ。SNMPv3ではいずれもSNMPエンティティと総称する。ここでは、SNMPv1とSNMPv2cでの呼称(SNMPマネジャーとSNMPエージェント)を使う。一般に、ネットワーク機器はSNMPエージェントの機能を備えている。SNMPマネジャーとしては、ネットワーク監視ツールが使われることが多い。

 通常は、SNMPマネジャーがSNMPエージェントに対して稼働状況に関する情報を要求。それに対してSNMPエージェントがその情報を送信する図4)。SNMPマネジャーとSNMPエージェントが管理できる情報(管理情報)は、SNMPエージェントが持つMIBというデータベースで定義されている。MIBは管理情報ベースなどとも呼ばれる。

図4●SNMPで機器の詳しい状況を監視
図4●SNMPで機器の詳しい状況を監視
ネットワーク監視ツールはSNMPマネジャー、ネットワーク機器はSNMPエージェントの機能を備えていることが多い。基本的には、SNMPマネジャーからSNMPエージェントに情報を問い合わせると、SNMPエージェントが情報を返す。やり取りできる情報の種類は、MIBという管理情報のデータベースで定義されている。
[画像のクリックで拡大表示]

 管理情報としては、機器の管理者の連絡先、機器の設置場所やIPアドレス、CPUやメモリーといったリソースの利用状況、起動してからの経過時間、インタフェース(ポート)の数、インタフェースごとのトラフィック量、エラーパケット数などが挙げられる。

 これらの管理情報はオブジェクトと呼ばれ、MIBではツリー構造で管理されている(図5)。オブジェクトには、オブジェクトID(OID)という識別子が割り当てられている。

図5●MIBはツリー構造を持つ
図5●MIBはツリー構造を持つ
MIBは、SNMPエージェントが管理する情報をツリー構造で管理しており、情報(オブジェクト)ごとに「オブジェクトID (OID)」という識別子を割り当てている。OIDは、ルートから該当オブジェクトまでの番号をピリオドで区切って並べたものになる。
[画像のクリックで拡大表示]

 MIBのツリー構造の頂点であるルートから、該当オブジェクトにたどり着くまでに通るオブジェクトの番号を並べたものがOIDになる。OIDを使えば、該当オブジェクトを一意に指定できる。例えば、監視対象機器のインタフェース数「ifNumber」のOIDは「.1.3.6.1.2.1.2.1」である(図6)。

図6●ネットワーク監視に利用する代表的な管理情報
図6●ネットワーク監視に利用する代表的な管理情報
ネットワーク監視に必要な管理情報の多くは、「system」と「interfaces」の階層の下にある。インタフェースに関する情報は、OIDの最後にインタフェースの番号(インデックス)を付ける。
[画像のクリックで拡大表示]