全5914文字
PR

ネット君  無線LANって見えない電波を使うし、どこまでも届きそうなので盗聴とかが心配です。

インター博士  確かにそうだな。

ネット君  なので、今回は無線LANのセキュリティーについて話を聞きたいです。

インター博士  ふむ。暗号化、改ざん検出、認証のどれを聞きたいかね?

ネット君  ん?んん?そう言われても……。

インター博士  まあ、どれも重要なので順番に話そう。

 無線LANでは、データは電波として無線LANアクセスポイント(AP)と端末の間でやりとりされる。「電波の届く範囲にいる人なら、誰でもその電波を受信できる」。この点が、有線LANとの大きな違いである。建物の外など想定外の場所にも届くので、社内ネットワークでやりとりされるデータを社外から盗聴することが可能だ(図1)。APなどに不正アクセスすることもできる。

図1●無線LANは有線LANよりも危険性が高い
図1●無線LANは有線LANよりも危険性が高い
無線LANではデータのやりとりに電波を使うので、届く範囲にいる人なら誰でも受信できる。電波は建物の外など想定外の場所にも届く。このため物理的なアクセスが必要な有線LANに比べると、盗聴されたり不正アクセスされたりする危険性が高い。
[画像のクリックで拡大表示]

 一方有線LANの場合、データを受信するにはケーブルや機器に物理的にアクセスする必要がある。社内ネットワークのデータを盗聴したり不正アクセスしたりするには、建物に侵入する必要がある。つまり盗聴や不正アクセスに関するハードルが、無線LANのほうが低い。このため無線LANでは、有線LANよりも強固なセキュリティーが求められる。それが、暗号化、改ざん検出、認証である。