全5241文字
PR

ネット君 すっかり普及したIP電話なんですけど、いまいち分かっていません。

インター博士 正直なのは美徳の1つではあるが、今更ながらの質問だな。

ネット君 そもそも、普通の電話とどう違うんですかね?

 IP電話とは、IPを使って音声データを伝送する電話サービスである。VoIPと呼ばれる技術を利用し、従来の電話と同等のサービスを実現する。

 IP電話の仕組みを説明する前に、従来の電話の仕組みを見てみよう。電話がつながっているネットワークは公衆交換電話網と呼ばれる。公衆交換電話網は交換機(回線交換機)で構成されている。

 交換機に接続できる回線数はあらかじめ決まっているので、空きがあるときだけ接続できる。電話をかけるとき、発信側から着信側までの回線を確保し、通話が終了するまでその回線を占有する仕様になっている。通話ごとに回線を占有することによって、一定の通話品質を保てるようにしている。

制御と音声に異なる網を使う

 交換機で構成される公衆交換電話網には、2種類の網がある。1つは発信側から着信側までの回線を確保するための網、もう1つが音声を送るための網である。前者は共通線信号網、後者を回線交換網と呼ぶ(図1)。

図1●電話がつながる仕組み
図1●電話がつながる仕組み
従来の電話は、交換機などで構成される公衆交換電話網につながっている。交換機と交換機をつなぐ公衆交換電話網には、発信側から着信側までの回線を確保する制御用の網である共通線信号網、音声を送るための網である回線交換網の2種類がある。
[画像のクリックで拡大表示]

 電話の加入者が受話器を取って相手の電話番号を入力すると、交換機は共通線信号網を使って着信側の交換機に伝える。着信側の交換機は該当の電話番号を呼び出して着信音を鳴らす。

 相手が受話器を取るなどして応答すると、着信側の交換機は発信側の交換機にそのことを通知して回線が確保される。回線が確保されると、回線交換網を使って音声信号をやりとりできるようになる。つまり、発信側と着信側で通話が可能になる。

 なお相手の呼び出しや回線の確保および切断といった、電話をかけたり切ったりするための一連の処理は呼制御やシグナリングと呼ばれる。

 以上のように従来の電話では、制御用の網と音声用の網を分けている。この考え方はIP電話にも受け継がれている。

ネット君 へぇー。電話網って2つあるんですね。知らなかったなぁ。

インター博士 IP電話も従来の電話と同じ「電話」だから、同じような仕組みになっている。