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ネット君 「クラウド」という言葉はすっかり普及しましたね。登場したときにはバズワードになるかと思いました。

インター博士 そうだな。ちなみに「クラウド」とは何かをきちんと説明できるかね?

ネット君 もちろんできますよ。あー、Webメールとかネットストレージとかとか…。具体例しか挙げられません…。

 クラウドはクラウドコンピューティングやクラウドサービスの略称である。クラウドは英語で雲のこと。以前からネットワーク構成図などでは、インターネットを含む外部ネットワークを雲の絵で表していた。このため外部ネットワーク経由で提供されるサービスをクラウドコンピューティングやクラウドサービスと呼ぶようになった。

リソースをすべてサーバーに置く

 クラウドではアプリケーションやデータなどサービスに必要なリソース(資源)はすべてサーバーに置く。ユーザーはWebブラウザーなどのインターフェースさえ用意すればアプリケーションを利用できる。

 従来のサービスと比較すると、クラウドの特徴が分かりやすい。例えばプロバイダーのメールサービスを考えよう(図1)。以前は、個人ユーザーのほとんどはプロバイダーと契約して、そのメールサービスを利用するのが一般的だった。ユーザーは契約しているプロバイダーのメールサーバーにアクセスしてメールを送受信する。

図1●サービスに必要なリソースをすべて提供
図1●サービスに必要なリソースをすべて提供
プロバイダーが提供する従来のメールサービスでは、メールサーバーの機能だけを提供する。一方クラウドのWebメールサービスでは、メールソフト(メールクライアント)機能を提供するとともにデータもサーバー上で管理する。
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 サーバーはインターネット上にあり、プロバイダーが管理している。だが一般的には、プロバイダーが提供するこの形態のメールサービスはクラウドとは呼ばない。ユーザーはメールサーバーというアプリケーションを利用するだけで、サービスの利用に必要なアプリケーション(メールソフト)やデータは自分で管理するからだ。ユーザーの端末とプロバイダーのサーバーはメールのデータをやりとりすることになる。

 一方、GmailのようなWebメールサービスではメールサーバーの機能だけではなく、メールの読み書きやデータを管理するためのメールソフトの機能も提供する。メールデータもサーバーで保管する。ユーザーはサーバーにアクセスするためのユーザーインターフェースさえあればよい。ユーザーの端末とサーバーがやりとりするのは画面に表示するためのデータだけである。

 なおクラウドにはパブリッククラウドとプライベートクラウドがある。パブリッククラウドはインターネット経由でユーザーにサービスを提供するサービスだ。通常、クラウドといった場合にはパブリッククラウドを指す。

 プライベートクラウドは企業または組織が自社向けあるいは顧客向けに運用するサービスである。