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 三菱総研DCSは2020年1月17日、同社が提供するWeb出願サービス「miraicompass」が1月14日にシステム障害で利用できなかったと発表した。システム障害は14日の午前9時50分に発生し、同日午後8時15分までに復旧したとされる(図1)。

図1●miraicompassが障害から復旧したことを伝えるお知らせ
図1●miraicompassが障害から復旧したことを伝えるお知らせ
私立中学の出願や入学金決済がピークを迎えていた2020年1月14日に障害が発生していた。
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 障害の原因は「データベースのログ情報を保存する領域が不足したため」(三菱総研DCS広報)。想定を上回る速度でログ情報が増えたといい、「これまでの運用で初めての現象」(同)だと説明する。なぜ急増したかは究明中で、まずは保存領域を拡張して復旧を優先させたとする。

 障害は約10時間で収束したが、利用する学校の関係者や、受験する学生およびその家族などに大きな影響を与えた。特に学校側には、経営を揺るがしかねない事態を引き起こす恐れがあった。

学校は出願期限を延長

 miraicompassは、2015年度入試からサービスを開始した。2020年度入試では全国で750校以上の小学校、中学校、高校が入試関連の手続きに同サービスを使っている。

 サービス上で手続きするのは出願や受験料および入学金の決済で、障害発生中はこれらの手続きを一切できなかった。近年、学校窓口での出願受け付けを取りやめ、miraicompassに一本化している学校も少なくない。このため障害発生中は、「Web出願できない」「学校に連絡したが事務の人は事の重大さを理解していなかった」といった受験生の関係者とみられる人の声がSNSに書き込まれていた。

 学校側も対応を迫られた。城北埼玉中学校は一部の試験の出願期限を14日午後3時としていたが、障害を受けて急きょ試験当日の15日午前8時まで延長した。さらに今年度取りやめていた窓口での受け付けを開始し、15日午前8時半まで対応したという。同様の対応をした学校はほかにもあった。

入学金を納付できなければ一大事

 障害が発生した1月14日は出願のピークで、悪影響は出願手続きに集中した。しかし時期によっては、学校側が当てにしていた入学金を得られなくなる恐れがあった。

 私立学校の多くは、併願されやすい競合校が合格を発表する前に入学金の納付を締め切る。1時間単位で納付期限を決めている学校もある。なるべく多くの入学金を集めようとするからだ。

 このため、出願期限と違って入学金の締め切りは延長しにくい。延長すれば、競合校の合格発表が始まって、得られるはずの入学金が入ってこなくなる。

 学校にもアウトソーシングの波が押し寄せているが、外部サービスに依存しすぎると思わぬトラブルに巻き込まれる恐れがある。BCP(事業継続計画)を考慮して外部サービスを利用する必要がある。