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 フィッシング詐欺が急増している。業界団体のフィッシング対策協議会によれば、2020年4月中に寄せられたフィッシング詐欺の報告件数は前月より1974件増加して1万1645件に達した。新型コロナウイルスの影響でオンラインショッピングのブランド名をかたる詐欺が増えたためだと考えられる。

フィッシングのURLも過去最多

 フィッシング詐欺は偽のメールやSMSなどを不特定多数のユーザーに送って偽サイトに誘導し、ログインパスワードやクレジットカード番号などを入力させるネット詐欺である。

 フィッシング対策協議会は2020年5月1日、フィッシング詐欺に関する報告状況を発表した。同協議会への報告件数は2019年12月から2020年1月にかけて一時減ったものの、その後増加を続けて2020年4月には1万件を突破した(図1)。フィッシングサイトのURLも4283件確認され、ここ1年で最多となった(図2)。

図1●フィッシング詐欺に関する報告件数の推移
図1●フィッシング詐欺に関する報告件数の推移
一般のユーザーからフィッシング対策協議会に寄せられた偽メールやフィッシングサイトに関する報告件数の推移。同協議会の発表資料を基に作成した。
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図2●フィッシングサイトのURLの報告件数推移
図2●フィッシングサイトのURLの報告件数推移
フィッシング対策協議会に報告されたフィッシングサイトのURLの数。同じURLが複数のユーザーから報告されることは多い。同協議会の発表資料を基に作成した。
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 ただ、フィッシング詐欺に悪用されたブランド名(サービス名や企業名など)の件数はそれほど変化がなかった。2020年4月は58件で、2月の63件、3月の56件と大きくは変わらなかった。

 フィッシング詐欺の報告件数の増加は、新型コロナの影響が大きいと考えられる。オンラインショッピング関連のブランドをかたるフィッシングメールや、宅配業者の不在通知を装うSMSが増えたためだ。特にAmazonをかたる詐欺の報告が増えており、前月の約1.4倍だった。

 2020年4月は緊急事態宣言が発令されたために外出を控える人が増え、オンラインショッピングのニーズが高まった。そこで詐欺師はオンラインショッピングのブランドを今まで以上にかたるようになったと考えられる。不特定多数に偽メールを送っても思い当たる人に届く可能性が高いためだ。

 そのほか、偽のマスク販売サイトに誘導するメールや偽の給付金メール、ビットコインで寄付を求める不審なメールなどが確認されている。

 緊急事態宣言が解除された5月末以降も外出を控える人は多いので同様の傾向は続くと考えられる。また連絡手段としてメールを使うことが増えているので、フィッシング詐欺は今後も増えると予想される。特定のサイトに誘導するようなメールには今まで以上に注意する必要がある。