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6年後のカレンダーに印を付けて

 今回の実験ではLamphoneの可能性は示せたものの、実用性はまだほとんどない。会話をリアルタイムで盗聴するまでは時間がかかりそうだ。そのことはナッシ氏も認めている。

 ただ、同氏は「2026年8月のカレンダーに印を付けておいてほしい」と2020年8月の発表で述べていた。6年で技術が飛躍的に進歩する場合があるからだという(図4)。

図4●盗聴技術は6年で進化する
図4●盗聴技術は6年で進化する
盗聴技術の進化予想。ジャイロホンやビジュアルマイクロホンはそれぞれ6年で進化しているので、ビジュアルマイクロホンの進化形であるLamphoneも6年後は現実の脅威になると予想する。ベン・ナッシ氏のWebサイトを参考に作成。ジャイロホンとビジュアルマイクロホンの実用度は比較が難しいので別のグラフで表している。
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 例えば前述のジャイロホンは2014年に発表された。発表当時は音量が大きくないと盗聴できず、盗聴できても精度が低かったので実用性に乏しかった。

 だがその後、モデルの改良や機械学習の導入などにより精度が向上。2020年の現在では、通常の音量の会話でも相当な精度で盗聴できるようになり、現実的な脅威になっている。

 一方ビジュアルマイクロホンは2014年に発表され、その6年後に発展形といえるLamphoneが登場した。このため2026年には、実際の脅威になるLamphoneの発展形が出現しうるとしている。

 次々と登場する盗聴手法。だが一般の人は慌てる必要はない。今回挙げたような盗聴手法はコストがかかりすぎるし精度にも課題がある。盗聴を恐れるなら、まずは自分の部屋に盗聴器が仕掛けられていないか確認したほうがよい。廉価で高性能の盗聴器が多数出回っているからだ。

▼Black Hat USA 2020
URLは、https://www.blackhat.com/us-20/。
▼CODE BLUE 2020
URLは、https://codeblue.jp/2020/。
▼自身のWebサイト
URLは、https://www.nassiben.com/lamphone。