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 インターネットに存在するWebサイトは、アクセスする方法や環境によって「サーフェスウェブ」と「ディープウェブ」に分類される。インターネットを氷山に例えると、海面より上がサーフェスウェブ、下がディープウェブのイメージだ(図1)。

図1●Webサイトの分類例
図1●Webサイトの分類例
インターネットに存在するWebサイトは、「サーフェスウェブ」と「ディープウェブ」に分類される。ディープウェブのうち、特殊なソフトを使わないとアクセスできないWebサイトは「ダークウェブ」と呼ばれる。
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 サーフェスウェブは一般的な環境でアクセスできる範囲、ディープウェブはパスワードの入力や特殊な環境を必要とする範囲を指す。

 ディープウェブのうち、特にTorなどの特殊なソフトウエアを使わないとアクセスできない範囲をダークウェブという。

ダークウェブは犯罪の巣窟

 Torを使うのは、発信元や通信経路の特定を困難にするためだ。Torはランダムに選択したTorサーバーを経由して通信する(図2)。サーバー間の通信はそれぞれ異なる鍵を使って暗号化し、ほかのサーバーには通信内容や通信相手が分からないようにする

図2●発信元や通信経路の特定を困難にするTor
図2●発信元や通信経路の特定を困難にするTor
パソコンにインストールしたTorのクライアントソフトは、世界中に存在するTorサーバー経由を経由して目的のWebサイトにアクセスする。「通信経路をランダムに決める」「Torサーバーはそれぞれ異なる暗号化通信を行う」ことで、発信元や通信経路を特定できないようにしている。
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 ダークウェブは関係者以外アクセスできないため、犯罪の巣窟になっている。例えば、麻薬や児童ポルノなど違法な物品が売買されている。サイバー攻撃や迷惑メール、ネット詐欺などのプラットフォームとしても使われる。

 ダークウェブはサイバー空間に存在するが、そのコンテンツを配信する物理的なサーバーは現実世界に存在する。だが、一般的なホスティング事業者はダークウェブに利用させない。違法な使い方をしていることが分かればすぐに停止する。

 そこでダークウェブ向けのホスティング事業者が登場している。ある事業者のデータセンターは、なんと北大西洋条約機構(NATO)の軍事施設跡地にあった。

▼Tor
The Onion Routerの略。送信するデータを何重にも暗号化し、複数の中継サーバーを経由させることで、送信元を特定できないようにする技術。この技術を実装したソフトウエアもTorと呼ばれ、インターネットで無料で公開されている。
▼NATO
North Atlantic Treaty Organizationの略。