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600人の警官がアジトを急襲

 ドイツのサイバー犯罪対策国家中央事務所(LZC)とラインラント・プファルツ州警察は2019年9月末、ダークウェブ向けのデータセンターを強制捜査したことを明らかにした(図3)。データセンターはNATOの掩体壕として使われていた建物を利用していた。

図3●ドイツ ラインラント・プファルツ州警察のプレスリリース
図3●ドイツ ラインラント・プファルツ州警察のプレスリリース
ダークウェブ向けのデータセンターを強制捜査し、容疑者7人を逮捕したことを伝えた。
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 容疑者は13人。7人はその場で逮捕し、残る6人には逮捕状を発行したという。

 掩体壕は英語でバンカー(bunker)なので、このデータセンターは「サイバーバンカー(Cyberbunker)」と呼ばれていた。

 警察のプレスリリースやAP通信の報道などによれば、場所はドイツ西部のモーゼル川沿いの町、トラーベントラーバッハ。跡地の面積は約1万3000平方メートル。フェンスと監視カメラが設置され、猛犬が放されていた。建物は地上1階、地下5階で敷地面積は5000平方メートルだ(図4)。

図4●サイバーバンカーのイメージ図
図4●サイバーバンカーのイメージ図
建物は地上1階、地下5階で敷地面積は5000平方メートル。敷地内にはフェンスと監視カメラが設置され、猛犬が放されていた(出所: Krebs on Security)。
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 サイバーバンカーが造られたのは2013年。LZCと州警察は5年にわたって綿密に調査を続けた。そして2019年9月26日、ドイツ連邦警察の対テロ特殊部隊GSG-9を含む600人以上の警官がサイバーバンカーを急襲。容疑者を逮捕し、約200台のサーバーと多額の現金を押収した。

 サイバーバンカーが使用していたドメイン名「cb3rob.org」なども押収した。このため押収直後にこのドメインにアクセスすると、押収されたことを示すWebページが表示された(図5)。なお現在では表示されない。

図5●警察に押収されたサイバーバンカーのWebサイト
図5●警察に押収されたサイバーバンカーのWebサイト
サイバーバンカーが使用していたドメイン名「cb3rob.org」は警察に押収された。押収直後にアクセスすると、押収されたことを示すWebページが表示された。
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▼LZC
Landeszentralstelle Cybercrimeの略。
▼掩体壕
敵の攻撃から装備や物資、人員などを守るための施設。