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大規模アングラマーケットを運営

 LZCと州警察によると、サイバーバンカーにはダークウェブの悪名高いマーケットやフォーラムが多数ホスティングされていたという。

 その1つが世界で2番目に大きい規模のアンダーグラウンドマーケットといわれていた「ウォールストリートマーケット(Wall Street Market)」である。25万件以上の麻薬取引を仲介し、取引額は2100万ユーロ以上だった。

 「大麻の道(Cannabis Road)」と呼ばれるマーケットには、あらゆる種類の違法薬物の販売者87人が登録され、数千件の取引を仲介していた。

 そのほか「オレンジケミカルズ(orangechemicals)」「アセケムストア(acechemstore)」「ライフスタイルファーマ(lifestylepharma)」なども違法薬物の取引サイトとして知られ、サイバーバンカーでホスティングされていた。

 2016年11月末にドイツの通信事業者ドイツテレコムのユーザーを狙った攻撃も、サイバーバンカーのサーバーから制御されていたという。攻撃者はドイツテレコムのユーザーのルーター約100万台にウイルスを感染させて、ボットネットに組み込もうとした。

古い軍事施設は売買されている

 謎に包まれているダークウェブだが、今回LZCと州警察により、その一部が暴かれた。軍事施設だった建物をデータセンターにしているとは驚いた。サイバー犯罪者はここまでやるのだ。

 そもそもそういった建物が売買されていることはあまり知られていない。だが、それほど珍しいことではない。著名なセキュリティー研究者であるブライアン・クレブス氏によると、古い軍事施設や地下シェルターを改築して転売する企業があるという。

 そして今回逮捕された容疑者のうち少なくとも2人は、オランダでもサイバーバンカーを造ってサイバー犯罪者向けのホスティングサービスを提供していた。このためクレブス氏はドイツのサイバーバンカーを「サイバーバンカー2.0」と呼んでいる。

 オランダのサイバーバンカー(サイバーバンカー1.0)で利用したのは1800平方メートルの掩体壕で、2011年に70万ドルで購入したという。サイバーバンカー2.0で利用した掩体壕の価格は公表されていない。

▼ボットネット
ウイルスに感染したコンピューターによって形成されるネットワーク。ネットワークカメラや家庭用ルーターなどのIoT機器に感染してボットネットを作るウイルスもある。