
1973年の誕生以来、今年で45歳を迎える大ベテランのネットワーク技術「イーサネット」。動きの激しい情報通信分野において、LANを構築する標準技術として常に第一線で活躍し続けてきた異例の存在だ。だが、その45年の歴史は必ずしも平坦ではない。あまたのライバルとの戦いを勝ち抜き、その後もユーザーの多様なニーズに答えて進化を続けてきた。基本から歴史、高速化の工夫まで、今こそイーサネットの全貌を学ぼう。
1973年の誕生以来、今年で45歳を迎える大ベテランのネットワーク技術「イーサネット」。動きの激しい情報通信分野において、LANを構築する標準技術として常に第一線で活躍し続けてきた異例の存在だ。だが、その45年の歴史は必ずしも平坦ではない。あまたのライバルとの戦いを勝ち抜き、その後もユーザーの多様なニーズに答えて進化を続けてきた。基本から歴史、高速化の工夫まで、今こそイーサネットの全貌を学ぼう。
イーサネットは、家庭や企業のビルなど比較的狭い範囲のネットワークであるLANを構築するための有線ネットワーク技術である。TCP/IPなどのデータを物理的に伝送する、ネットワークの最も基本的な役割を担う。低コストで高速にデータを伝送できる特徴を持つ。
MACフレームの構造は、IPパケットなどと比べて、極めてシンプルだ。例えば、IPパケットは10以上のフィールドからなる。これに対し、MACフレームはMACヘッダー、データ部、FCSの三つのフィールドだけで構成される。
今でこそLANの盟主のような存在のイーサネットだが、初めから今の地位にいたわけではない。ライバル達が群雄割拠する戦国時代を勝ち抜いてきたのだ。
イーサネット用のケーブルは大きく二つに分けられる。一つは心線に銅を使ったもの。よっているので「より対線ケーブル」、単に「LANケーブル」とも呼ばれる。もう一つは、心線に光ファイバーを使ったもので、「光ファイバーケーブル」と呼ばれる。それぞれの特徴を順に見ていこう。
LANスイッチの最大の目的は、MACフレームを宛先の端末に正しく送り届けること。それをどのように実現するのか見ていこう。
イーサネットには様々な速度の規格がある。パソコンやサーバー、LANスイッチといったイーサネット対応機器は、相手がサポートする速度の情報をやり取りして、適切な速度を自動的に選択する「オートネゴシエーション」と呼ぶ機能を備えている。その仕組みを見ていこう。
45年前の1973年に誕生した当初のイーサネット規格は10Mビット/秒だった。2017年にできた最新規格の速度は400Gビット/秒と実に4万倍に達する。ここまでどのようにして高速化を実現してきたのか順に見ていこう。