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 WindowsにはコマンドプロンプトやPowerShellで使えるネットワークコマンドが多数用意されている。これらのコマンドは普段のネットワークの設定・管理だけでなく、トラブル発生時などの緊急時にも役立つ。

 PowerShellとコマンドプロンプトはそれぞれコマンド体系が異なる。PowerShellのコマンドは「コマンドレット」と呼ばれる。またPowerShellではコマンドプロンプトのコマンドを実行できる。そこでPowerShellのコマンドレットを中心に紹介する。

 ネットワークコマンドを使う際は、PowerShellを管理者権限で起動する。Windowsのメニューから「Windows PowerShell」を開き、「Windows PowerShell」の項目を右クリックして、「管理者として実行する」という項目を選択する図1)。またはWindowsメニューを右クリックして表示されるメニューに「Windows PowerShell(管理者)」の項目があるので、これを選択する。

図1●管理者でPowerShellを起動する
図1●管理者でPowerShellを起動する
ネットワークコマンドには、実行するために管理者権限が必要な場合がある。このためWindowsの「スタート」ボタンをクリックして、表示されるメニューにある「Windows PowerShell」を右クリックして「管理者として実行する」を選択する。またスタートボタンを右クリックすると管理者権限でPowerShellを起動する項目がある。
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疎通確認を実施するTest-Connection

 まず覚えておきたいコマンドレットは「Test-Connection」だ。引数としてホスト名またはIPアドレスを指定すると、相手とIPで通信できるかどうか確認できる。コマンドプロンプトにおける「ping」コマンドに相当する。ICMPパケットを利用する(図2)。

図2●Test-Connectionで疎通を確認
図2●Test-Connectionで疎通を確認
Test-Connectionコマンドレットを使うと、通信相手とIPで通信できるかどうかを確認できる。コマンドプロンプトのpingコマンドに相当する。確認にはICMPパケットを利用する。
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 Test-Connectionを実行すると、4回の実行結果が表示される(図3)。Sourceには実行したパソコンの名前が表示され、Destinationには目的のホスト名が表示される。右側にはICMPのパケットサイズをBytesの欄に、応答が返ってくるまでの時間はTimesの欄にミリ秒で表示する。pingコマンドを実行した場合と、ほぼ同様の結果が得られる。pingではパケットが何回ネットワークをまたぐのかをカウントするのに使うTTLなども表示される。

図3●Test-Connectionを実行した結果
図3●Test-Connectionを実行した結果
引数にホスト名やIPアドレスを指定して実行する。正しく応答があれば、応答が届くのに要した時間を表形式で表示する。pingコマンドは結果を人間に分かりやすいメッセージとして表示する。
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