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ワイヤスピードとスループット
通信速度を表す言葉

 いずれも通信速度を表す言葉だが、「ワイヤスピード」はLANケーブルなどの有線ケーブルを使った通信における、規格上の最高通信速度を指す。いわゆる理論値の速度である。一方の「スループット」は有線、無線を問わず通信速度の実測値を指す。

 例えばイーサネット規格の1000BASE-Tにおけるワイヤスピードは1Gビット/秒である。しかし実際に通信する速度となると、データによってフレームのサイズやフレーム同士の間隔が変わり、ロスが生じると転送効率が落ちる。また外部からノイズの影響を受けてデータが乱れ、再送信することもある。そうした実際の環境を反映した通信速度がスループットだ。

 無線LANにおいても、ワイヤスピードに相当するものがある。アクセスポイント製品の速度として「最大1733Mビット/秒」などの表記や、最新の規格Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)における最高通信速度9.6Gビット/秒などだ。無線LANはノイズの影響を受けやすく、一般的なオフィスにおけるスループットは理論値の数分の1になる。

 これとは別に、LANスイッチ製品などに「ワイヤスピード対応」と書かれている場合がある。処理速度が高速で、ワイヤスピードのデータをやりとりしても処理がボトルネックにならないことを示している。

kとK
「キロ」と読む接頭辞

 「k」と「K」は接頭辞の一種である。接頭辞は単位の前に付けてその量を表す記号。どちらも「キロ」と読むが、表している量の大きさが異なる。kは1000(=10の3乗)であるのに対し、Kは1024(=2の10乗)なのが一般的だ。

 どちらを使うかは、一緒に使う単位によって変わる。通信のデータ量を表すビットや電波の周波数を表すHz(ヘルツ)をはじめ、長さを表すm(メートル)や重さを表すg(グラム)など、多くの場合はkを使う。

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 一方のKはコンピューターに関係する量を表す場合に使われる。例えばメモリー容量のバイトや、コンピューターにおけるファイルの大きさ、デバイスの容量にはKが使われている。コンピューターが2進数で動作するため、それに応じた接頭辞が使われるようになったためだ。2進接頭辞と呼ばれる。

 例外的にハードディスクなどのストレージ製品の容量をバイトで示すときはkを使う。またCPU性能の指標となるクロック周波数などもkになる。

 どちらの「キロ」かはアルファベットの小文字か大文字かで区別できる。しかし、キロより大きい量を示すM(メガ)やG(ギガ)、T(テラ)ではいずれも大文字を使うため、2進接頭辞かどうかを区別できない。単位や装置の種類などを見て判断するしかない。