インターネットには多くのWebサイトが存在し、多種多様なコンテンツを公開している。そうしたWebサイトの中には、各国の法律に照らし合わせると違法なものもある。例えば、著作権に違反して商用コンテンツを無断で公開する、いわゆる海賊版サイトや、児童ポルノをはじめとするアダルトサイト▼、違法薬物の取り引きを仲介するサイトなどだ。
こうした違法なWebサイトには本来、法律にのっとって個別に対処する。例えば、海賊版サイトに対しては、著作権者が差し止め請求や損害賠償請求といった民事上の措置を取ったり、刑事告訴したりする必要がある。
ただ、こうした法的な措置には煩雑な手続きが必要で、時間もかかる。その間、著作権を侵害したコンテンツは公開されたままだ。そこで、ネットワーク技術を利用して、ユーザーが違法なWebサイトにアクセスできないようにする方法が注目を集めている。これが「サイトブロッキング」だ。
サイトブロッキングはISP▼が主に実施する▼(図1-1)。ユーザーがインターネットに接続する際には、ISPを経由するのが一般的だからだ。どのWebサイトが違法かをISPが知っていれば、そうしたWebサイトにユーザーがアクセスしようとしたときに、何らかの手段を使ってアクセスをブロックできる。