あらゆるネットワーク環境で高速化が進んでいる(図1-1)。
例えばインターネットへのアクセス回線の主流は、光回線を利用する1Gビット/秒のサービスだった。
だが近年では最大伝送速度10Gビット/秒をうたうアクセス回線が続々登場している。大手ではソニーコミュニケーションズが先陣を切り、2015年にサービスを開始。2018年にはKDDI、2020年にはNTT東日本とNTT西日本(NTT東西)が後に続いている。いずれも現在は国内主要都市のみの対応だが、全国各地にも展開すると予想される。
企業や家庭のLANの高速化も進んでいる。有線LANでは、2.5Gビット/秒の伝送速度を実現するレイヤー2(L2)スイッチが1万円以内で購入できるようになったからだ。それに呼応するかのように、無線LANルーターの中にも、2.5Gビット/秒のLANポートを搭載する製品が登場している。
無線LANでは、最大伝送速度9.6Gビット/秒のIEEE▼ 802.11ax(Wi-Fi 6▼)に対応した無線LANアクセスポイント(AP)が市場に出始めている。パソコンやスマートフォンといった端末のWi-Fi 6対応も進んでいる。環境によっては1Gビット/秒の有線LAN以上の伝送速度を実現できる。
では、ネットワークの高速化はどういった技術で実現しているのだろうか。本特集では高速化の「秘密」を分かりやすくひもとく。